Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

『CD 藤沢周平を読む 女難剣雷切り』

醜男にもそれなりの女難あり。
主人公は、バツ3で、女中にも次々と逃げられ、周囲から笑われる中年男、しかし剣豪。「隠し剣 鬼の爪」とは異なり、人間的にアンバランスな部分を持つ主人公なので先が読みにくく、そういう意味で、お約束的な流れにならずに読める。
秘剣・雷切りで、一件落着のように見せつつ、「気をつけろ、と自分を戒めた」で終わる、ラストシーンが面白い。
それにしても松平定知、ただのアナウンサーかと思ったら、非常に上手。登場人物がさほど多くなく、地の文が多いとはいえ、しっかり演じ分けができている。このシリーズは、あともう少し、図書館にあったので、そちらも楽しみ。
収録文庫本は、上で紹介した本の続編にあたるようで、これは2冊まとめて読みたいなあ。

新装版 隠し剣秋風抄 (文春文庫)

新装版 隠し剣秋風抄 (文春文庫)