醜男にもそれなりの女難あり。
主人公は、バツ3で、女中にも次々と逃げられ、周囲から笑われる中年男、しかし剣豪。「隠し剣 鬼の爪」とは異なり、人間的にアンバランスな部分を持つ主人公なので先が読みにくく、そういう意味で、お約束的な流れにならずに読める。
秘剣・雷切りで、一件落着のように見せつつ、「気をつけろ、と自分を戒めた」で終わる、ラストシーンが面白い。
それにしても松平定知、ただのアナウンサーかと思ったら、非常に上手。登場人物がさほど多くなく、地の文が多いとはいえ、しっかり演じ分けができている。このシリーズは、あともう少し、図書館にあったので、そちらも楽しみ。
収録文庫本は、上で紹介した本の続編にあたるようで、これは2冊まとめて読みたいなあ。
- 作者: 藤沢周平
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/06/01
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 33回
- この商品を含むブログ (79件) を見る