Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

日経概観(7/22(日))

週に一回の社会勉強コーナー

柏崎刈羽原発停止 東電、コスト2000億円規模/今期大幅減益の可能性(1面)

数字だけピックアップ。

  • 柏崎刈羽原発の7基の原子炉で東電の原発の47%
  • これらは現在すべてストップで今期中の再稼動は難しい状況
  • 7-9月の原発稼働率は40%前後(夏季は低い)
  • 年間稼働率は期初見込み72%⇒47-8%に下がる見込み
  • 稼働率1%減で95億円利益減少(原発はコストが安い)

コスト高には、原油高(期初想定を上回っている)も大きな影響があるという。
東電で不足する分は他の電力会社から回るということで、既に石炭関係の株が高くなったり等の影響が出ているという。
長期の稼動中止という状況になれば、当然電気料金にも跳ね返ってくるのだろうか?

社説・実効性ある地球温暖化対策を競え

参院選の政策を追うシリーズ。

  • 京都議定書の達成:どの党も明言せず。「ライフスタイルの変更まで問われる課題」だとする社説執筆者の意見には同意。
  • 排出権取引自民党は、経団連経産省の顔色を伺い打ち出せず。民主党が国内市場の創出を明記。
  • 温暖化対策税:民主党が導入する考えを示している。(財源等不明点は多い)
  • ポスト議定書:いわゆる「50年までに世界の温暖化ガス排出を半減」に対して、日本の中長期の削減目標は未定。自民は目標を示さず。民主は20年で20%減、50年で50%減と明示。

安倍首相はポスト京都議定書について、柔軟で多様な枠組みを提案した。それを日本が拘束力ある削減目標から逃れる布石とみられるようでは、温暖化対策外交で主導権を握ることはできない。20年に20%減の目標を掲げた民主党も、実現の根拠、目標達成への道筋と覚悟を示す責任がある。民主党よりも高い目標を掲げた政党もしかりだ。温暖化防止で重要なのは実効性である。志を高くしたうえで、低炭素社会に着実に結びつく政策論争を望みたい。

ということで、日経新聞は全体として民主党支持のようだ。
環境問題についての政策比較については、安井至教授のページでも取り上げられていた。

京都議定書に向けた具体策については民主党に軍配を上げながら、その歳出削減の出鱈目ぶりに呆れている。

無駄を15.3兆円省くとあるが、そのうち、3.8兆円は、独立行政法人などの運営費交付金などを減額するとある。一体、何%カットなのか、と見たら、なんとなんと100%カットのようなのだ。国の技術開発の中心的存在である産業技術総合研究所や、環境研究の中心的存在、国立環境研などは、全員解雇らしい。また、科研費など、大学の研究費がゼロになる。それがこの国の将来像らしいのだ。

民主党の圧勝を危惧して、何とかそれを防ぎたいという話まで出ているが・・・。

ヤマト、避難所まで配達/日通、素早くネット更新(5面)

中越沖地震での被害地域について、「配達不能地域」をつくらないヤマト、「不能地域」「遅延地域」をネットで随時更新して知らせる日通。
客商売だからなのかもしれないが、こういうのを見ると、「官から民」がいいよなあ、と短絡的に考えてしまう。勿論業種によるだろうということは理解しているのだが。

江戸の林業の謎に迫る(田中優子・半歩遅れの読書術)(24面・読書)

『日本人はどのように森をつくってきたのか』を中心に、江戸時代の林業について述べた文章。なのだが「私はこのごろ、白戸三平の劇画『カムイ伝』を使った講義をしている」という部分に興味を引かれる。『カムイ伝』はまったくの未読。是非読んでみたい作品。

文庫・新書:『川を旅する』池内紀著(25面・読書)

ちくまプリマー新書。これは買い。

妄想かきたてる文具(詩歌のこだま:27面・詩歌教養)

細見和之『ホッチキス』の紹介。擬人化されたホッチキスについての詩集ということで、かなり変な本だが、「ホッチキスの使用感には微かな暴力性と官能性があり、やっかいなことに私たちは、そこに快感を覚えている」と言い切る執筆者(詩人・小池昌代)の感性も面白い。
そう言われればそんな感じがしてきた。

学童保育厚労省指針案「グループ40人まで 休日開所8時間以上」(38面・社会)

利用している子どもの数は昨年65.5万⇒今年70.5万に増加。(サービス内容の)地域差が目立つなどの現状を見て、ガイドライン策定に乗り出したという。
自分が子どもの頃は、学童保育(児童館という言い方をしていたが)に行っている人は、1クラスに3,4人だっただろうか。アニメ映画『空飛ぶゆうれい船』を見たのは、学童保育でのイベントだったと思う。思えば、あれが初めて見た映画かも。

貧困層に肥満 NPO減量作戦/毎日ハンバーガー、偏る生活(38面・世界いまを刻む)

NPOの活動内容は「無料でエアロビクス」「野菜市開き安く提供」など。

  • 貧困家庭の子供の肥満率は非貧困家庭の1.5倍
  • 原因は、親が働きづめでファストフードに偏りがちなことと、生鮮品の値段の高さ

例として挙げられている人は、毎日ハンバーガーの食生活で140キロだったのが、タコスなどを食べるようにして、20キロ減。
タコスがカロリーの低い食べ物だと初めて知る。貧困と体重の関係は、日本でも同じようなかたちになるのだろうか?いやあ、アメリカ特有の感じがするけど・・・。

原発内部、東電が公開/放射能水漏れ現場にバケツ・変圧器黒こげ(38面・社会)

今回の地震原発関係の報道は気にして見ている。「最先端の技術のおかげで、これだけの被害で済んだ」という捉え方も確かにできるが、その言葉は現地の人には無意味だろう。
また、盛んに使われる「人体に影響の無い範囲内」という言葉は、いくら真実であっても、誤魔化されたような気がしてしまうのも事実。
リスク・コミュニケーションという言葉があるが、特に地元住民に対しては、普段から事故を想定した説明や防災訓練などの共同作業が不可欠だろう。

東電の担当者は「地震と火災が同時に来ることを想定していなかった」とショックを隠さない。

ちょっとこの言葉は、そのまま信じられるのかどうか疑問だが、、おそらく地元住民的な感覚からすると「想定していなかった、なんて想定外だ」と憤慨するに違いない。
勿論、マスコミの報道の仕方がおかしい部分もあるだろうが、そこまで含めて、電力会社は責任を持って「教育」をしておかなければならないのかもしれない。