日曜日に、家族4人でディズニーランド行ってきました。
今回は、特に2歳の夏ちゃんのミッキー熱が異常に高まり過ぎていたため、ガス抜きを行うことが一番の目的でした。
早朝7時半頃に舞浜に到着して、駅を出たのが、21時半近くだったので、個人的にはこれまで最長の14時間近くいたわけですが、十分満喫できました。ミッキーの家でのミッキーとのハグ、何度見ても感動して涙がこぼれる定番パレード「ジュビレーション」、そして、6/30までのディズニー・イースターワンダーランド、と、いつも以上にディズニーキャラクター重視のスケジュールを組み、夏ちゃんも大満足でした。
←プーさんの声に被さる犬笛のような「プーさーーん」という声が夏ちゃんの。
今回、アトラクションは、モンスターズインクと、プーさんのハニーハント、ホーンテッドマンションの3つに乗りました。モンスターズインクは、家族全員が初体験ですが、ハニーハントは、自分以外の3人は経験済みで、よう太は、ライド時に泣いて、その後、パレードを観ながら思い出し泣きをしたほど怖がったという曰くつきのアトラクションです。(このため、今回、ハニーハントは、自分と夏ちゃんで乗りました。)
で、自分にとっては、両方ともディズニーランドっぽくないという印象を持ったので、それについて説明してみようというのが今回のエントリの主旨です。
東京ディズニーランドにおけるエヴァンゲリオン〜プーさんのハニーハント
沢山の人が、その類似性を指摘しているだろうと思うので、ググりませんが、ハニーハントは、エヴァンゲリオンですね。お前はダメダメダメ人間だーと言われたプーさんが、自分の力でハチミツをゲットしようと決意するものの、悪夢の中に入り込んでしまい、ストーリーがあるんだか無いんだかよくわからい中、アクションシーンで強引に押し切られ、無理やりハッピーエンドにさせられて、客が騙された気分で終わるというあたりが。
←プーさんは、親友のために、キン肉ドライバーの実験台を買って出ます・・・という話では多分ありません。
今回、ファストパスだったこともあり、十分できなかったのですが、通常はライド前に、巨大絵本の中の通路を歩きながら、プーさんのストーリーを予習します。全部英語で書いてある中を高速で通り過ぎたので、いい加減な理解ですが、プーさんはミスをして、ハチミツをなくしてしまったので、自分で見つけて挽回したい、というような内容でしょうか。
さてアトラクションが始まると、プーさんは風船を片手にハチミツを探しに行き、僕らはそれについて行く役回りです。始めは、イメージ通り、プーさんとの「ハチミツ探し」の旅が進むのですが、ハチに刺されるあたりから一転してよくわからなくなり、プーさんの「夢」に入り込むシーンでは、周囲が真っ暗になり、星屑が広がる大宇宙の中をプーさんがふわふわ浮く、という、ディズニーシーの怖いアトラクション「タワー・オブ・テラー」の落下前と全く同じ展開が繰り広げられます。
そのあとは、プーさんの夢の世界なので、ゾウの顔をしたハチとか、想像上の動物が跋扈する世界に入り込んで、客の乗りこんだポッドが激しく動き回ったあと、何とかハチミツが見つかり、「ハチミツ探し」の旅は終了します。アトラクションとしては結構面白いし、絵も綺麗だけど、全然意味が分からないという点で激しく引きつけられます。
ほら、エヴァンゲリオン的でしょ。
動物的な、あまりにも動物的な〜モンスターズ・インク ライド&ゴーシーク
そもそも東京ディズニーランドは、大塚英志のいう「物語消費」を体現した世界だと思っていました。どのアトラクションにも独自の世界観があり、客はアトラクションを経験することにより、その物語を消費する。たとえばスプラッシュマウンテンにしても、単純なジェットコースターとして見てしまうと、見せ場の少ない「乗りもの」と化してしまいますが、全体ストーリーがある(だからテーマパークというのですが・・・)から、物語の中の登場人物と一緒にハッピーエンドを迎えて満足するという「アトラクション」になっていて、その物語を共有するために、グッズを買ったりコスプレ*1を楽しんだりするわけです。
ところが、モンスターズインクのアトラクションには、基本的に物語は無いのです。誰々がいたずらをして懲らしめられる話だとか、何かを探しに行って見つける話とか、そういうエンディングのある物語ではなく、ただひたすらに隠れんぼ。確かに、元になった映画はあるのですが、アトラクションそのものは隠れんぼ。
東浩紀『動物化するポストモダン』では、90年代以降のオタクが、マンガ・アニメ作品を、物語的なものとして捉えずに、「萌え要素」として消費するように変化した*2ことを、「データベース型消費」「動物化」等という言葉を使って説明しています。バズ・ライトイヤーのアストロブラスターは体験したことがありませんが、ハニー・ハント(2000年)→バズ(2005年)→モンスターズ・インク(2009年)と、ディズニーランドのかつてのアトラクションに定番だった物語性がどんどん失われていっていることは間違いなく、過渡期にあたり、物語そのものが混沌としているハニーハントは、まさしく新世紀エヴァンゲリオンなのだと思うのであります。