
- 作者: 羽海野チカ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2010/04/09
- メディア: コミック
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研究会では二階堂−重田*1コンビという新たな名コンビに盛り上げられながら、零も打ち解け、輪の中に入って行く。
そして後半部では、島田八段をサポートする重役を零は務める。これで、やっと普通のマンガっぽくなってきて一安心。
それより何より、4巻は表紙にも登場している島田八段の巻。
出身地の山形県天童市の駅にかかる横断幕「将棋のまち天童から名人を」の文字が背中を押し、同時にプレッシャーにもつながるという島田八段の苦労は、しつこいほどに繰り返される「胃痛」の表現を通して、読者にもリアルな「痛み」として伝わってくる。
「痛い 痛い 痛い…」と言いながら沼の中でお腹を押さえる心理描写から始まる42話では、ページをめくると、その痛みすら「生きてるって気がするぜぇ」と振り切ってしまう強さにA級棋士の魅力を感じる。
しかし、そんな島田八段も宗谷名人には4タテを食らうのでした…。
さて、この対局の中で、零は、(漫画の中で神に近い存在として扱われる)宗谷名人と同じセンスを持っていることが二度示唆される。
前年の島田八段が負けた一局のある局面に対する感想「気持ち悪い」が共通していたという部分、そして、宗谷−島田の対局の解説を務めた藤本雷堂棋竜でも気がつかなかった妙手を、二人だけが気づいていたという部分。
こういった、主人公のヒーロー性を含め、本当に、ここに来てやっと熱血将棋少年漫画っぽくなってきた。研究会で強くなった零の、翌年の活躍に期待です。
ただ、今回の名言は、やはり島田八段。
(宗谷名人は)どんなに登りつめても決してゆるまず
自分を過信する事がない
だから差は縮まらない どこまで行っても
しかし「縮まらないから」といって
それが
オレが進まない理由にはならん
「抜けない事があきらか」だからって
オレが「努力をしなくていい」って事にはならない
その通りだ。
なお、33話、35話 37話〜41話の扉絵が、3姉妹と零が児童公園で待ち合わせて一緒に遊ぶ話になっています。リアルな背景画もあいまって、なかなかおもむきある感じでかなり自分好み。児童公園の遊具は好きだなあ。あと35話と36話の間にあるモモの絵は、ポニョのパロディになっているんだろうか?
先崎学のライオン将棋コラム
今回のコラムは以下の通りでした。
- 全国転戦、タイトル戦
- 研究?実戦?研究会の実際。
- プロ棋士の検討も意外に見当違い!?
- 「君は僕を信用し過ぎだ」、シビれる一手の裏側…
研究会の例で挙げられているカイジ研やブログ研というのは、両方とも渡辺明竜王が入っていたようで、検索すると竜王のブログが出てきます。お茶目な人なんですかね。
ちょうど、NHK杯でも羽生善治三冠に勝ち、波にのっているので、これからもその活躍を追っていきたいと思います。