Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

真夏の夜のオリジナル・ラブ -TOUR 2014-(7/11渋谷CLUB QUATTRO)

ずるい!
ずる過ぎです。
色々な意味でそのように感じたライブ@渋谷クアトロでした。


最初にセットリストを挙げます。

  1. DEEP FRENCH KISS
  2. サンシャインロマンス
  3. フレンズ
  4. カミングスーン
  5. GOOD MORNING GOOD MORNING
  6. Words of Love
  7. ヴィーナス
  8. プライマル
  9. ウィスキーがお好きでしょ
  10. 恋の彗星
  11. 月の裏で会いましょう
  12. WITHOUT YOU
  13. スキャンダル
  14. The Rover
  15. 接吻
  16. エブリデイ エブリデイ

(アンコール1)

  1. 朝日のあたる道
  2. フリーライド
  3. LET'S GO !

(アンコール2)

  1. 夜をぶっとばせ

ライブ前から「今回はCD通りのアレンジで」というのがキーワードであることは、田島自身のツイートで何度も見ていました。ただ、ピンと来ないというのが第一印象。ということで、毎回、ライブならではの変なアレンジを期待している自分としては「何だかよく分からないなあ」という疑問を抱いたままライブ当日を迎えたのでした。
しかし、「CD通り」の効果は絶大で、オリジナル・ラブと共に過ごしたそれぞれの青春時代が、頭の中を走馬灯のように駆け巡る人でフロアは何かおかしくなっていました。(ちなみに「走馬灯」というのはこんな感じのもの↓みたいです。想像していたものと合っていて安心しました)


特に自分が良かったのは「フレンズ」「スキャンダル」で、ベスト盤を繰り返し聴いた学生時代を思い出しました。そして、『街男 街女』の頃のライブでは、絶対に想像できなかった歌い方・アレンジ・選曲で、むしろあの迷走期*1が懐かしくなり、泣けてきました。
こういう選曲、こういうアレンジは本当にずる過ぎます。


そして、珍しい曲と言えば、この曲。
ファンにはそれほど曲を支持されていない「Words of Love」*2は、自分は結構好きな曲でした。が、今回CDアレンジのままで演奏されるのを聴いていて、何故この曲を好きだったのかを思い出しました。
自分がオリジナル・ラブを好きになったのは、大学生だった1995年冬頃。何かに目覚めて(笑)突如、色々とCDを聴き始めた頃に知ったベスト盤(Very Best)がきっかけでした。CMで流れていた「朝日のあたる道」は好きだったものの、最新シングルの「プライマル」(自分には珍しくドラマも見てました)はピンと来なかった自分にとって、待ちに待った新シングルがこの曲でした。
最初は、確かに「薄味」だとは思ったのですが、プライマルがあまり好みでなかった自分としては、アルバム(Desire)が出るまでの1か月間は何度もこの曲を聴いていたのでした。だからシングルCDの形で聴いた回数で言うと、このシングルは一番聴いたシングルになるかもしれません。「薄味」だから飽きが来なかったのかもしれませんが、結果として、自分の中では、オリジナル・ラブとしては外せない一曲になったのです。
なお、ライブ後の他のファンの方との話の中で、「この曲やプライマルの曲の主人公のなよなよした感じが嫌い」という話が出てきましたが、歌詞についても今回感じるところがありました。
自分は「恋の彗星」も含めて、シングル曲にありきたりのラヴソングを持ってくるのがあまり好きでは無く、一時期はずっと田島貴男は「石と空」の歌*3を歌った方が良い(笑)と考えていました。なので、ラブソングになればなるほど、歌詞については、あまり耳に入っていませんでした(笑)。
しかし、今回、聴いていて、少し苦手な「恋の彗星」も「Words of Love」も人間臭い男の物語になっていて、結構面白いじゃないか、と初めて思ったのでした。今回のライブで久しぶりにやった「スキャンダル」の曲前MCでは、田島自身も「カッコつけていた頃の曲」みたいな言い方をしていましたが、確かに、ひとりユニットになって最初の2つのシングルは、どちらも「カッコつけ」から解放されたことが、正反対のイメージの歌詞に繋がったのかもしれません。
というように、CDアレンジが引き起こした圧縮された十数年間の想い出から、そういう発見にもつながり、いつものライブとは違った良さがありました。


勿論、MCで何度も触れていたように、初めて来る人や久しぶりに来る人に対して、分かりやすいオリジナル・ラブの良さを出すという意味でも、今回のセットリストとアレンジは正解だったと思います。まさにベスト盤的な内容で、誰もが満足できるようなライブだったと思います。





・・・
・・・・・・
いや、本当にそうでしょうか?
本当に誰もが満足できたでしょうか?(笑)
確かに、走馬灯にクラクラした自分、やっぱりオリジナル・ラブの音楽はいい!と再確認した自分があの場所、あの時間にはいました。
しかし、少しだけ言っておきたいのです。
自分が回して欲しかったのは、実は、走馬灯じゃなくて地球独楽だったのです!

(動画見つからずw)


今回、改めて感じたのは、「東芝時代に非ずんばオリジナルラブにあらず」みたいな、東芝至上主義(笑)。自分はまさにそうですが、ポニーキャニオン時代のオリジナル・ラブからファンになった人たちも沢山いるんです!!そして、アルバム数も、圧倒的にポニーキャニオン時代が多いじゃないか!!!
にもかかわらず、今回はポニーキャニオンの曲はシングルのみ。そうじゃないでしょ!
次は『L』『ビッグクランチ』を曲順通り、CDアレンジで演奏するくらいの極端な方向に進んでほしいです。本当に。


いやいや良いライブでした。
走馬灯効果を抜きにすると「ウイスキー」と「フリーライド」が良かったです。2曲ともバンドのバランスが取れていて、特に毎回聴いているような「フリーライド」は、原曲アレンジのカッコよさに惚れ直しました。あと、「カミングスーン」の真城さんの声が可愛らしい感じで良かったです。ただ、歌詞飛びの件は、もう少しだけ何とかしてほしい(笑)
それでは次回は秋のひとりソウル。『L』『ビッグクランチ』が優遇されることを今から祈っています。

参考(過去日記:ポニーキャニオン時代への思い入れ)

⇒まさに迷走期の中、ポニーキャニオン時代のベストを予想する記事です。いわゆる「ボラーレ」のベスト盤が出る2年前の記事です。2年くらい先を行っているブログですね笑
ここで推している「アイリス」「アンブレラズ」「地球独楽」あたりは、今回のライブで演奏があるかも、と密かに期待していた楽曲です…

⇒そして、2008年に書いた予想を裏切る形で出てしまったベスト盤。罵詈雑言ばかりの酷い記事となっております笑

⇒2007年に書いた内容ですが、今でもこの気持ちはありますが、自分も心が広く柔軟になり、この頃よりも受け入れ幅は広がっております。

⇒『街男 街女』が最新アルバムの時点での12枚のオリジナルアルバムの個人的ランキングです。2、3、5、6位にポニーキャニオン時代のアルバムが入っているじゃありませんか!!

*1:勿論、あの時期があるから今のオリジナル・ラブがあるのだと自分は思っていますが、やはり田島貴男の良さを100%出すことができなかった時期だと思います。

*2:今回、田島本人ですが「作ったことを忘れていた」とまで言ってのけるほどの冷遇されっぷりには驚きました!!!

*3:「Your Song」からです。こういう歌詞を歌ってサマになるのは田島だけなので、日本に数少ない希少資源として有効に活用したいところです笑。