Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

塩野七生『ローマ人の物語3 ハンニバル戦記(上)』★★★

シチリアを舞台にカルタゴと戦った第一次ポエニ戦役と第二次ポエニ戦役開始まで。
ポエニ戦役については、はてなダイアリーキーワードポエニ戦争」に詳しいので、そちらを参照。
この巻では、戦いが一応ローマの勝利に終わったこともあり、雰囲気は明るい。しかし、ところどころ「後に、スキピオ・アフリカヌスは、この裏をかくことになる。」などと不吉な記述が多い。タイトルになっている「ハンニバル」は、ちらと登場するだけで、まだ本編に登場しない。(父親のハミルカルは、しばしば登場)
ポエニ戦役後の部分では、ローマの兵役、属州・同盟国などの仕組みについてページを割いて述べられる。ローマでは、軍が一年ごとに変わるため、軍の構成から宿営地建設までいたるところがマニュアル化されていたという部分は面白い。もともとがシステム好きという国民性もあったという。
ローマ人の物語という本は、こういった政治・税・国際関係等の部分を現代の世界と重ね合わせて考えるところに醍醐味があるのだろう。自分は、まだ勉強不足なので、2度目、3度目に読むときに面白くなっていくのかもしれない。