Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

イラクでの3邦人誘拐事件について

今回の事件について、僕は、いつもどおり、いろいろな人の意見をテレビやHPで目にし耳にし、理解していくのだと思う。
ただ、(直接は知らないし、事件の内容自体にも全く疎いが)1977年のダッカ日航機ハイジャック事件の顛末を考えると、やはり自衛隊をすぐに撤退するのは国として行わないだろうし、僕自身もあまりいい案ではないと思う。
しかし、奇しくも「人命は地球より重い」と言った当時の福田赳夫首相の長男にあたる福田康夫官房長官の緊急会見での物言いには、違和感を感じる。

そもそも我が国の自衛隊は、イラクの人々のために人道・復興支援を行っている。撤退の理由はないと考えている。

というのは、日本の、しかも政府の思い込みであって、少なくともテロリストには通じていない。また、何故自衛隊なのかについては、これまでイラク国民に対しても日本国民に対しても説明が不足している部分もあると思う。派遣当初は、ある程度の理解を得ていたにしても、駐留米軍との関係が悪化している現状では、イラク国民が同じ理解を続けているとはとても思えない。
せめて

イラクにおける自衛隊の役割について、イラク国民に十分な周知ができていない部分があるかもしれない。これについては、イラク国民へ向けて繰り返し説明を続けながら人質になった人を無事救出することに全力を挙げる

というような言い方を追加すれば、イラク国民にとっても、日本国民にとっても、まだ受け入れやすい。
今回の会見は、日本からのメッセージでもあるのであろう。そういう会見の中に、福田官房長官個人(もしくは小泉内閣)のイラつきが見えるようなことで、外交上上手くいくのかなあと思う。テロリストにおもねることをする必要はないが、味方につけるべき、一般のイラク国民や日本国民を突き放すような言い方は、得策ではないように感じる。