Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

ジェームズ・ワン 監督『SAW』★★★★☆

SAW ソウ DTSエディション [DVD]
凄く久しぶりにDVDを借りて映画を見た。帰宅後、二晩に分けて鑑賞。
見た人は大概そう書いているが、ネタバレ要素なしに、これの感想を書くのは難しい。
いわゆる「衝撃の結末」ということになるが、無理やりじゃなく、美しく嵌った感じの結末が心地よい。これもほとんどの人が感想で書いているように、少しでも興味のある人は、情報を仕入れずにすぐに見てみるべきだ。
 
ネタバレの話もあるので、あえて少し本編の内容とずらした感想を書く。
つい先日読んだ『GOTH』*1と比較して考えると、映画の方が、オチ(どんでん返し)の直後に「伏線との結びつき」(手品の種明かし)を提示しやすいというメリットがあると強く感じた。僕の知っている類似作品(名前は伏せます)では「ユー」から始まるサスペンスも「シッ」から始まるホラーも、やっぱり「オチ」た後で、伏線部分を高速で画面上に流す手法を取っているが、そういった映像は、実際に頭の中で起こっていることに近く、感情的に同化しやすいのだと思う。
小説の場合は、「オチ」た直後に、伏線部分とのつながりについて、くどくど説明するのは興ざめなので誰もやらないが、それだけに、読者が伏線部分にすぐに思い当たらなければ、オチの威力は半減である。さらに、映像というのは、それなりに記憶に残っている*2が、小説の場合、全く記憶に残っていなかったり、読み飛ばしたりしている可能性もあるのだから、小説でうまく落とすのは半端じゃなく難しい。
そういう意味では、『GOTH』の納得いかない数箇所についても、大目に見るのがいいのかなあ・・・。
 
DVDに収録されているメイキングも見たが、撮影日数が18日間の低予算映画だというから恐れ入る。監督も若いし、他の作品も見てみたい。一応、同じスタッフが参加する続編『SAW2』(監督は別)も少し期待。ただ、陽太もいるので映画館に見に行くのは難しい。見るとしてもDVDになってからだろう。
 
最後に、我慢できず、ちょっとだけネタバレ部分を書く。























僕がにとって衝撃的だったのは、ラストよりも、やはり「切っちゃう」シーン。ラストは爽快なオチといえるが、「切っちゃう」シーンは、「まさか」の思いが強かった。

*1:ちなみにゴス趣味ということでは共通するところがある作品?

*2:前述した「シッ」の例は特徴的。