Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

祝・野洲高校優勝!

やや上から続く内容。
一昨日は、高校サッカーの決勝戦があり、これも非常に感動を覚える試合だった。が、試合の内容以上に、高校サッカーと日本サッカー界のあり方、部の練習の状況について詳しい話が聞けた解説がよかった。
特に、野洲高校のメンバーは地元のクラブチーム出身者が多いことについて「高校サッカーにも、そういった底辺からの底上げが必要ですね。」と言う実況に対し、これを否定するセルジオ越後の発言がよかった。セルジオ越後いわく「高校サッカーの隆盛がクラブチームの空洞化につながっては意味がない。高校サッカーも強いし、クラブチームも強い、そういった土壌が必要だ。」
実際、世の中もそのように変わってきているようだ。決勝戦の解説中に、各世代における高校サッカー出身者の割合が示されていたが、若い世代ほど高校サッカー出身者は少ない。つまり高校での部活動以外でもサッカーというスポーツを行える場が広がってきたということだ。ここら辺は、野球に比べてサッカーが恵まれているところだろう。
そして決勝戦で、野洲高校鹿児島実業に勝ったのも、上の文脈で言えば、象徴的なのかもしれない。鹿児島実業は、良くも悪くも「高校サッカー」の頂点、つまり上下関係が厳しく、体力づくりに情熱を120%傾ける「シゴキ」のイメージが強い。解説では、前園*1が、合宿での練習内容を聞かれて、「ひたすら走ってました。一日に50本も60本も」と言っていたのが印象的だった。
対する野洲高校は、ゲーム形式の練習中心、ということで、楽しむことをモットーにしているチーム。解説によれば、試合が延長戦に突入したとき、鹿児島実業の選手は、皆、笑みを浮かべていたというが、「あれだけ厳しい練習をしてきたんだ。延長に入ってしまえば、地力の差が出て、こんなチャラチャラしたやつらには負けるはずがない」という気持ちだったのかもしれない。
僕は野洲を応援していたのだが、同じように思っていたので、延長後半、流れるような展開の中から、野洲が決勝点を決めたときは、跳ね上がって喜んだ。
楽しくて強い、見る方もプレーをする方も、それが一番幸せだ。野洲高校山本佳司監督の「日本の高校サッカーを変えたい」という気持ちが、サッカー以外のスポーツにも波及していくと良いなあ。

*1:ちなみに、この日、実況の口から「前園さんの言うとおり」という往年のCMの決め台詞が出て嬉しく思った。