Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

この道はいつか来た道〜『夜中にラーメンを食べても太らない技術』

夜中にラーメンを食べても太らない技術 (扶桑社新書 25)

夜中にラーメンを食べても太らない技術 (扶桑社新書 25)


ダイエットについてものすごく詳しいというわけではないが、健康管理の基本的な部分なので、やはり体重は気にしている。
今回、この本を読んで思ったのは、ダイエットの流れが、また元に戻ったなあ、という感じ。
つまり、大体下のような感じで、また「あるある」に帰って来た感があるのではないか。

楽して痩せる。一応理論的に。あるある大事典など

(でも、楽して痩せるって無理。そもそもデータも捏造かも。)

楽しみながら苦しんで痩せるビリーズブートキャンプ

(短期的な効果は凄いが、続かない。けがする)

地味に続けて痩せるレコーディング・ダイエット岡田斗志夫

(でも、食べたい)

楽して痩せる。続けられる:伊達式ダイエット ←今ここ

内容については、日経ビジネス オンラインの日刊新書レビューがまとまっている。
本のコンセプトは以下の通り。

逆転の発想で、とくに男性の場合は、「悪」を減らせないのなら、体にいいことつまり、「善」を増やしていけばいいのです。/例えば、カップメンなどで食品添加物を大量に摂ってしまったら……野菜ジュースを飲んで、毒素を少しでも排出させるようにする。ファストフードのハンバーガーを食べて悪い油をコッテリ摂ってしまったら、今度はナッツや青魚など「良い油」を摂って、悪い油を洗い流す。/こんな具合に、体内で「善悪の帳尻合わせ」をするのです

だが、文句を言うと、コンセプトはいいし、本として読みやすいうえに、使えそうなものも多いのだが、やや情報の幅が広いため、信頼性にムラがある、というか、ツギハギという感じが目立つのが気になる。
たとえば、「性欲減退」*1という同じテーマに対しても

  • P44:「(日本人の)性欲減退の原因は働き過ぎ。」→「働き過ぎによりレシチンが脳で使われてしまい、睾丸に行かない」→「大豆や卵黄、肉や魚を食べよう」
  • P179:「不規則な生活やストレスの増加以外にエンプティ食品(カップめんや菓子パン)の取り過ぎが原因」→(エンプティ食品を控えるのは難しいので)「セックスミネラルと呼ばれる亜鉛が効く」→「カキなどの貝類を食べよう」

と、全く異なるアドバイスが出ていたりするのには、頭をひねる。
また、本書で取り上げられている「原型食品」や「旬の果物」などは、幕内秀夫『粗食のすすめ』やマクロビオティックの基本的な考え方だと思うが、それなら、その方向で掘り下げてくれた方が読みやすい。食品添加物の害についてもやや神経質に取り上げながらも、(実際には何が使われているのか、コンビニよりもさらに闇が深い)外食については、それほど否定しないのも(現実的だが)アンバランスを感じた。
最終章では、集中力を上げるには「ゴマ」、記憶力を保つには「ナッツ類」、口臭・体臭には、「オレンジジュース」と、一機能一食材対応の紹介もされているが、これが結局「あるある大事典」などが陥った罠(実効性よりもわかりやすさを優先してしまう)なんだと思う。

なお、ちょっと笑ったのが「手軽に栄養補給をしたいなら栄養ドリンクよりも卵かけご飯を」(P158)というもの。食べる暇がないから仕事しながら栄養ドリンク、というほとんどだと思うが、そんな人が卵かけご飯をつくることができるのだろうか?右手でマウスを動かしながら、左手には、卵かけご飯の茶碗を持っているサラリーマンを想像してしまった。
あと、何度も書かれている「馬鹿食いしたら18時間のプチ断食」というのも、夜10時に食べたら翌日16時まで食べないことになるわけで、「ぷち」にしてはなかなか過酷。
タイトルから想像できる通り、現実的な状況と対策事例が多く取り上げられている割には、上の二つの事例については、いまいち想像力に欠けるなあ、と思ってしまった。


ちなみに、自分のおススメダイエット方法は、やはりレコーディング・ダイエットです。(本は未読)
一時期は、ピークに対して10kg痩せたという実績を持っています。(72→62kg)
最近は、体重も体脂肪も、ここ数カ月かなり厳しい戦いが続いていますが、もう少しだけ減るといいかなあと思っています。
体重
体脂肪

*1:別に、自分が悩んでいるのではないデス。