Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

劇中劇の構成の妙の真骨頂〜美内すずえ『ガラスの仮面』16

ガラスの仮面 (第16巻) (白泉社文庫)

ガラスの仮面 (第16巻) (白泉社文庫)

全編にわたって「二人の王女」の話が展開します。
アルディスとオリゲルドという二人のライバル関係は、北島マヤ姫川亜弓のライバル関係に近く、一方が天然で、もう一方が、華やかに見えて実は努力型という個々の本質も分かった上で、月影先生は配役を決めたのでしょう。
オリゲルドの「白い眼」率が高いのは、北島マヤの「天才」に常に驚き続ける亜弓さんの心情を表現しています。(笑)
紅天女」と同じ構造ですが、劇中劇のストーリーと本編のストーリーのシンクロさせて、本編の人間関係も平行して深みを増していく流れは、本当に上手いです。