マンガ 化学式に強くなる―さようなら、「モル」アレルギー (ブルーバックス)
- 作者: 鈴木みそ,高松正勝
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/06/20
- メディア: 新書
- 購入: 17人 クリック: 74回
- この商品を含むブログ (54件) を見る
自分にとっては、「ファミ通の漫画の人」のイメージが強い鈴木みそが描いていることと、ブルーバックスに漫画があるという単純な驚きから手に取った。
あとがきにもあるが、結構な年月をかけて、鈴木みそ自身も(原作を)理解し消化しながら作った本ということもあり、化学の基礎に苦手意識を持つことなく、スルっと読めて理解ができる本になっていると思う。だからこそ、今から化学を勉強する中学生にはピッタリの本だ。
ただし、「教科」としての化学から離れた大人が読むにはどうか。漫画なのでスラスラ読めるが、やはりあくまでも化学への入り口として最も機能する本。
こういった学問入門本としては、どうしても『数学ガール』と比べてしまう。学問を富士山に喩えると、『数学ガール』は、「美しい富士山」を上から真横から、季節も変えて見せてくれて、富士山に登りたい!と思わせてくれる。(登り方は、理解できるかどうかは別にして、カッコいい方法を何パターンか教えてくれる。)それに対して、この本は、富士山に登ることへの憧れを抱かせてくれはしない。登る山の魅力には全く触れずに、6合目まで嫌にならずに登れる方法を教えてくれる。
そう考えると『数学ガール』は、エレガントな手品と種明かし、『マンガ化学式に強くなる』は、手先を器用にする訓練か。純粋に読書を楽しむなら、やっぱり前者だと思う。
でも、繰り返すけど、中学生にはオススメです。
→(過去日記)今から学ぶ人にこそ〜結城浩『数学ガール』(2011年4月)
リケジョ・・・?
ちょうど化学が話題になるニュースがあった。
茨城県の女子高生らが新たな化学現象を発見し、権威のある米専門誌に論文が掲載されることが決まった。
専門家は「高校生の論文掲載は世界的な快挙。今後は彼女らの実験結果を、プロの化学者が後追い研究することになるだろう」とたたえている。
カラオケに行って実験器具を放置していたことが発見につながったことばかりが取り沙汰されるが、こういうニュースはいい。やっぱり「憧れ」を持たせることがリケジョ?やリケダン?を増やすのではないか?
なお、今は筑波の大学生になっているらしい女子高生の文章が、大学のHPにあるが、小学生時代から科学に興味を持っていたようだ(きっかけはEM菌?)。茨城県ということで、原子力分野との関わりも強かったのも科学への意識を育んだのかもしれない。
それにしてもリケジョ?