Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

日経新聞11/4(日)

インフラ・観光、傷深く 米ハリケーン

米東部を襲ったハリケーン「サンディ」の被害からの復旧が遅れている。ニューヨーク市南部などで停電や交通網の混乱が続き、被災地でのガソリン不足も深刻化してきた。4日に予定されたニューヨークシティー・マラソンが中止になるなど、観光産業にも影響。被害総額は当初予想より膨らみ、300億〜500億ドル(2兆4000億〜4兆円)と過去2番目級との見方が広がる。

記事では「老朽化した都市インフラの放置が被害の拡大につながった」とも書かれている。
日本でも、今後の地球温暖化による気候変動のことも考えれば、防災対策は、いくらやってもやり過ぎることはないのでは?

春秋

あなたに借りた鴎外も読み終えていないのに――さだまさしさんの40年ほども前の失恋の歌「追伸」にこんな一節があった。当世の若者は鴎外の貸し借りなどもうしまい、などと他愛ないことを考えながら、東京都文京区の旧居跡に先日できた森鴎外記念館を訪ねた。
(略)
「舞台監督の鞭(むち)を背中に受けて、役から役を勤め続けてゐる。此(この)役が即(すなわ)ち生だとは考へられない。背後(うしろ)にある或(あ)る物が真の生ではあるまいか」。うべなう方も多いだろう。真の生など結局見つからないにしても。
(略)
できれば本何冊か、とも思うが、そうでなくても、当世の若者たちに貸してみたい言葉が次から次に見つかる。

自分が「当世の若者たち」なのかどうかは別にして「うべなう」なんて言葉をこれ見よがしに使う大人には本を貸してもらいたくない!と反発してしまうような春秋でした。

地震の巣、南海トラフ掘る 掘削船で地殻変動解明へ(17面・サイエンス)

東海沖から日向灘にかけての「南海トラフ」は、地震の巣だ。内閣府は最大マグニチュード(M)9.1の地震が起き、32万人が亡くなる可能性があるとの想定を公表した。ここで地震が起きる仕組みを解明するため、海洋研究開発機構の大型掘削船「ちきゅう」が空前の作戦を進めている。厚いベールに包まれた巨大地震の正体を突き止め、防災に役立てられるのか。

大型掘削船「ちきゅう」は紀伊半島沖の熊野灘で昨年1月から掘削調査を開始し、来年1月には海底下3600m、来年度には5200mまで掘る計画。前回調査でも採取した土から昭和南地震のメカニズム解明に役立っており、今回も岩石や土中微生物の調査のほか、地震計や傾斜計をおろして、巨大地震の兆候を観察するとのこと。
南海トラフで想定しているM9.1について過大評価とする声も多く、調査結果によっては領域や規模の絞り込みが可能になるかもしれない。


で、プレート境界面近くまで直接穴を掘る機械と聞くと、逆に地震を誘発するのでは?と思ってしまうのが素人感覚。実際にそういう陰謀論はあったようで、しかも東日本大震災は、そのとき震源域付近にいた「ちきゅう」によって引き起こされたという話で、それ自体は以下で否定されている。こういう簡単な陰謀論に引っ張られないように、日々、色んな分野で勉強しておかなければいけないな、と思うのでした。

不妊治療がもたらすもの 技術の進歩と圧迫感(21面・今を読み解く)

不妊治療の進展が、社会に様々な影響を与え始めている。不妊治療という言葉を聞くと、どこか遠い世界の話のように感じる人がいるかもしれないが、実際には、かなり多くのカップルが人工的な生殖技術を用いた不妊治療を行っているのである。一昔前までは、女性の身体に原因があると思われたものだが、最近では、男性の身体に原因のあるケースも相当多いことが分かってきた。

森岡教授の問題提起が非常に分かりやすく紹介されている3冊とも読んでみたくなった。

男性から見た不妊治療。問題は自分の精子にあるということが分かっていてさえも、不妊治療が女性に負担をかける医療であることを身を持って知る内容。


生殖技術――不妊治療と再生医療は社会に何をもたらすか

生殖技術――不妊治療と再生医療は社会に何をもたらすか

生殖技術が進歩すればするほど、カップルは治療を「あきらめる」タイミングをどんどん見失っていくという部分に不妊治療技術の根本的な問題点を見た本。技術のみが先行して、人間の文明社会が統御できないという点で社会監視技術や原子力技術にも共通すると森岡教授は分析。


精子提供―父親を知らない子どもたち

精子提供―父親を知らない子どもたち

不妊治療のひとつとして第三者からの提供精子を用いて子どもを作る方法(AID)を取った場合に生まれる「父親を知らない子どもたち」を追ったルポルタージュ

読書

構造災――科学技術社会に潜む危機 (岩波新書)

構造災――科学技術社会に潜む危機 (岩波新書)

人災とも天災ともいえない「科学と技術と社会のあいだの界面(インターフェイス)で起こる災害」を構造災と定義し、その特徴を探る本。例として挙げられるのは、福島第一原子力発電所事故のほか米国のスペースシャトル事故、2次大戦前の日本海軍で起きた艦船事故など。

日本林業を立て直す―速水林業の挑戦

日本林業を立て直す―速水林業の挑戦

速水林業の速水亨の本。この人の本は一冊読んでおきたい。


キオスクのキリオ

キオスクのキリオ

タイトルがいい。歌人東直子さんは、絵本も読みたいとおもったが、小説集もこれで10冊目だという。穂村弘や桝野浩一以外の歌人のエッセイや小説をもっと読んでみたい。