水素発電所 実用化へ(1面)
千代田化工建設は水素発電所の実用化に必要な技術を開発した。燃料の水素を低コストで供給できる。国内外の企業と設備の商談に入っており、早ければ2?3年後にも世界初の水素発電所が稼働する見通しだ。水素発電は二酸化炭素(CO2)が発生せず、国内で燃料を自給できる。輸入の化石燃料に頼る日本にとって新たな電源になる可能性がある。
「国内で燃料を自給できる」のは製油所や化学工場などで大量に発生しているため。現状では、体積がかさばり発火しやすいために貯蔵や輸送が難しく、多くをそのまま大気中に排出。
これに対し、液化させた水素を「常温」で貯蔵・輸送し、効率的に抽出できる設備を開発できるようになったのが今回のニュースにつながっている。
現在の試算では、コストは「石炭・ガス火力<水素発電<石油火力」で、石炭・ガス火力より約6〜8割高いという。が、石油火力よりもコストが低いということは、太陽光や風力などと比べても当然小さく、十分実用的なレベルではないか。
潜在的に使用できる資源総量がどの程度あるか分からないが、もてはやされる海洋資源よりも現実的で、日本国内で発生する水素は、全て、水素発電に回るくらいの普及発展を期待したい。
アフリカ10カ国でインフラ開発戦略(1面)
安倍晋三首相は1日、横浜市で開幕した第5回アフリカ開発会議(TICAD)で、ケニアやモザンビークなど10カ国のインフラ整備を進める「戦略的マスタープラン」をつくると表明した。日本企業の投資拡大とアフリカの経済成長を後押しする。
改憲のパラドックス(2面・風見鶏)
ここで「首相が本気で改憲に挑むつもりなら本来もっとも急ぐべき課題」として挙げられるのは「衆参の役割分担」。解散権が及ばないのに法案や人事を左右する第二院の存在は世界を見渡しても異様で、歴代政権弱体化の癌とみる。
しかし、自らの権限を弱める改憲に参院は協力しないため「二院制の欠陥は永久に是正されないパラドックス」だという。
ねじれ国会でスピード感のある政治が不可能になっているのは実害も大きいので同感。
もんじゅ崖っぷち(11面・日曜に考える)
高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)が崖っぷちにたたされた。長年、運転が止まったままのなか、新たに大量の点検漏れ問題が発覚し、5月30日、原子力規制委員会から運転再開の準備を凍結するよう命じられた。度重なる日本原子力研究開発機構の「安全軽視の姿勢」に不信感が膨らむ。「時代遅れの先進炉」と危ぶむ声もある。安倍政権が堅持する考えを示した核燃料サイクル政策も揺るぎかねない。
記事で挙げられているよう、もんじゅをやめる理由はいくらでも挙げられる。
- 高速増殖炉は欧州諸国が断念した技術。
- 現在、高速増殖炉の開発を進めているのは核兵器を増産するロシアや中国のみで、もんじゅより構造が簡単な別タイプ。
- ナトリウム漏れ事故後の15年間の運転停止で、熟練技術者が流出し、現場の運転ノウハウが失われている。
また、核燃料サイクルについて言えば、六ヶ所の再処理工場はずっと「未完成」のままで、こちらも含めて既に破綻しているように思う。これは素人目に見ても、というよりどう考えても明らか。核燃料サイクルに頼らず、使用済み燃料をどう処分するかに注力した方が良い。
ビジネスに生かす統計学(19面・今を読み解く)
帝京大学教授の小島寛之さん執筆。この人の記事で新井紀子さんの著作に出会っているので、本のセレクションには信頼を置いている方。
「統計学」=「思想」+「数学」+「数値計算」という図式のそれぞれについてのオススメ本を挙げている。
- 「思想」については、ブーム火付け役のこの本。「数学」「数値計算」を取り去ったことに勝因があるとする。
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- 「数値計算」についてはこちら。統計ソフト「R」を使って統計スキルを身につけられる。「数学」の解説も補充してくれる。
本当に使えるようになる多変量解析超入門 (知識ゼロでもわかる統計学)
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- 『最強〜』に不足している要素として、「経済学の統計」としてオススメなのはこちら
考える技術としての統計学 生活・ビジネス・投資に生かす (NHKブックス)
- 作者: 飯田泰之
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- さらに常にデータにふれる習慣を持つための本としてこちらがオススメとのこと。
統計データはためになる! ~棒グラフから世界と社会の実像に迫る~
- 作者: 本川裕
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読書欄
- 作者: V・S・ラマチャンドラン,山下篤子
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今回のメインテーマは、自意識や言語、芸術と脳科学。ヒトはなぜ「美しい」と感じるのか?美的センスとは何であり、脳の中でどのように生み出されるのか?これについて、脳科学の分野から何かを語っているというだけでものすごい感じがするが、ちゃんと面白い提案がなされているようだ。ラマちゃん、気になる。
- 作者: 川瀬七緒
- 出版社/メーカー: 講談社
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虫の生態から事件を追う「法医昆虫学ミステリー」という切り口でノックアウト気味だ。高校の生物教師だった祖父と一緒に山の中を歩いて教わった知識を生かした、とは本人の弁だが、やはり子供の頃の体験は重要なのだな。この本はシリーズ第二作なので、一作目『147ヘルツの警鐘』から読みたい。
- 作者: 川瀬七緒
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