Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

男の子もみんなガーリーに憧れる〜ゆかしなもん『’80sガーリーデザインコレクション』

'80sガーリーデザインコレクション

'80sガーリーデザインコレクション


1980年代のグッズということで、1974年生まれの自分は、世代的にはバッチリ。確かに、基本的には女性向けに作られている本なので、どの程度、これに反応する男性がいるのかは不明だとは思います。
しかし、自分にとっては、これまで見過ごしていた小学生時代の自分の興味・関心を改めて見つめ直す機会となったような気がしています。


この本は、ゆかしなもんさん(1975年生まれ)が、ブログを通じて、80年代の「女の子カルチャー」を伝えようと、寄贈のものも含めて、コレクションを紹介していたグッズの集大成です。(ゆかしなもんさんのブログはこちらです。→昭和的ガーリー文化研究所
基本的には、当時のグッズの写真が並べられ、そこに、ゆかしなもんさんのコメントが載ったカタログ的な内容で、そこからは、当時はよくわからなかった、メーカー同士の争いや、「カワイイ」の歴史を垣間見ることが出来て楽しいです。


これを見ていると、小学生時代のことが蘇ってくるようでした。
当時、自分は、間違いなく「かわいいもの」が好きでした。
ただし、他の男子小学生がどうだったかといえば、あのファンシーグッズの洪水の中で、その影響を全く受けなかった人の方が少なかったのではないかと思います。
というのも、当時の文具類は、80%くらいはファンシーグッズの類で、自分が買うにしろ親が買うにしろ、よほど硬派な人間でない限りは、男子でもかなりの割合で「かわいい」文具を持っていたと記憶しているのです。
たとえば、小学6年生の頃に自分が使っていた缶ペンケースは「SPORTS KIDS」(学習研究社)のものでした。

p116より(サッカーボールを蹴っているキャラクター。野球やバスケもありました。)


また、鉛筆や消しゴムにもキャラクターものはありましたが、やはり、プラスチックでできたシャーペンのあの感じは、「俺は、今、猛烈にかわいいもので字を書いている!」という、よく分からない興奮を生んでいたような気がします。
そして、占いやあみだくじなど、色んなことが書いてある下敷きやノートの裏表紙の感じもそう。
小学校の卒業式で回したサイン帳も(普段、メモ帳回しなどをやらない分)、かなり楽しく書いていました。

p141より


数あるキャラクターの中で、特に印象に残っているのは「バイキンクン」です。
自分が、このキャラクターグッズを持っていたかどうかは定かではありません。
しかし、周囲の人間がグッズを持っているのを羨ましい目で見ていたような気がします。
また、「バイキンクン」には、電子ゲーム(本には写真未掲載)があり、おそらく従姉妹が持っていたのでしょうか、面白そうだな、とずっと思っていたことも思い出しました。

p12より(サッカーボールを蹴っているキャラクターがSPORTS KIDS。バスケ等ありました。)


本の話に戻りますが、ゆかしなもんさんのコメントも好感が持てて、この本の雰囲気にもピッタリです。「ポケットティッシュ」の項目につけられたコメントが特に好き。

これほどまでに、この小さなポケットティッシュのラブリーさを極限まで追求し続けた国がほかにあるだろうか!?見よ、これが昭和期ジャパニーズファンシーの底力じゃ〜☆何が私たちをそこまでさせたのかは謎だが、ティッシュ1枚単位でお友達とトレードするのが全国的に流行した。p174

そして、80年代にかわいいものが大好きだった、その感覚が今でも残っていることは否定しません。
子どもを連れてサンリオピューロランドに行くのは、全く嫌ではなく、むしろ積極的に行きたいし、先日、タワレコリラックマとのコラボ商品が売られているのを見て、缶バッジを買うかどうか悩んでしまったこともありました。(そんなときは、「40代男性が可愛いものの缶バッジをつけてたらどう思うのか」「お前は女子高生じゃないんだぞ」と自分を戒めます)
アニメのグッズもそうですが、この「役に立たないけど、自分の手の届くところに置いておきたい感覚」は、何なのでしょうか。普通に考えたら、「そんなものは無駄」で、実用性に欠け、経済的でもないのですが、それを持っていることで得られる満足感はプライスレスだなあ、と本に載った数々の写真を眺めながら強く思ったのでした。


なお、タイトルは、ブリッジの曲「女の子はみんなヴァレリに憧れる」からです。

ベスト・オブ・トラットリア・イヤーズ

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