Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

大満足・大興奮の全13話〜『仮面ライダーアマゾンズ シーズン1』


実は、一話目を一度見かけて途中で視聴を止めていた作品です。(愚かなことに)
昨年からタブレット端末(kindleFire)で見る習慣ができていたのですが、見る作品はアニメ、もしくはウルトラマン(セブン等)などの実質20分〜25分の番組が多く、一話目が40分あるアマゾンズは、自分の通勤電車での視聴スタイルと微妙に合わなかったのです。
しかし、ある飲み会で「とにかく見ろ」と強要され、改めて見始めると、すぐに面白さに気が付き、あっという間に全13話とスペシャルイベントまで制覇してしまいました。


特に、今回、スペシャルイベントで締めたのが良かったです。
物語の終わりを一人ではなく、キャストや他のファンと一緒に迎えた気持ちになれ、まさに一区切りつけた感じになれました。

物語について

今回、「自分は人間なのかどうか」「自分の力は”正義”なのか」、という仮面ライダーシリーズの主人公に共通する根本的な悩みが、2人のライダーの対比の中で、非常にシンプルなかたちで現れています。
つまり、通常は一人の人間の脳内に棲む天使キャラと悪魔キャラが、実在の2人の人間で表現されることで、対立軸がわかりやすく表現されている、ということです。
しかし、意外だったのは、二人のライダーが折り合いをつけるのではなく、最終回で完全に分裂してしまったこと。
特に、11話以降で変化してしまったマモルを主人公・悠(はるか)がどうするか、というのは、まさに作品のテーマそのものです。マモルを、これまで通り仲間として扱うのか、それとも三崎の腕を食らった敵として扱うのか。
遥が泣きながらマモルを葬り去るシーンを頭に思い浮かべていた自分の予想は裏切られ、遥はマモルの側についてしまうのでした。


人間の感情が残っているアマゾン(実験体)を束ねて生活する水澤悠。
状況で区別せず、すべてのアマゾンを「害虫」として扱う駆除斑と鷹山仁。


ラストに向けて無理矢理にでも解消するのが通例である両者の対立を、完全に残した最終回は、シーズン2への目くばせがあるとしても珍しく、その意味で強く印象に残りました。

キャストについて

やはり「アマゾンズ」と言えば、鷹山仁(赤アマゾン)。
スペシャルイベントでの会話でもあったように、アマゾンズの俳優は「おっさんばっか」で、いわゆるニチアサの平成ライダーと比べるとかなり高齢で、そこが物語の雰囲気を底上げしていたように思います。*1
駆除斑メンバーも、そこに寄与しているのですが、やはり鷹山仁の場合、人間のときのカッコよさに加えて、変身後の赤アマゾン(アマゾンアルファ)が、輪をかけてカッコいいので、この人なしには、この作品は成立しないと言えるほどです。
なお、アマゾンオメガ、シグマとの比較で言うと、オメガのツルっとした感じ(キョーダインっぽい感じ)は、あまり好きではありませんが、アルファの引き立て役としては正解なフォルムだと思います。シグマの「悪役」感は、あの役回りと一致していて素晴らしいと思いました。シグマに変身する(一度死んで蘇った)前原の性格も、久しぶりに劇中の人物を嫌いになってしまうほどにハマっていました。
スペシャルイベントでの、シグマ自身も「古巣」であるはずの駆除斑メンバーから距離を置かれていたという舞台裏エピソードは面白く観ました)


そして、女性キャスト。
3人から一人挙げるとすれば、やはり駆除斑メンバーの高井です。
とにかくアクションが切れる。そして男性キャラでもここまでは、というほどボコボコにされる。
劇中で「笑顔を見せて」と言われて作った、ひきつった笑いが印象的ですが、スペシャルイベントでの様子を見ても、素に近いのかもしれません。
そして、正ヒロインの武田玲奈。
動画だとダメなのか、何となくグラビアの2割減くらいの魅力だったと思います。
代わりに、可愛さ大爆発だったのが、マモルです。こちらもスペシャルイベントでの様子を見ても、かなり素に近い役柄なのかもしれませんが、劇中で一番可愛い役柄だったのではないでしょうか。それだけに三崎を喰うシーンの衝撃は大きいものでした。

そのほか

スペシャルイベントでは、プロデューサー白倉伸一郎と、脚本の小林靖子が登壇する場面がありましたが、小林靖子を「靖子にゃん」呼ばわりする白倉伸一郎の変人感が印象に残りました。
シーズン2の制作発表でも意気込みを語る白倉プロデューサーですが、その期待を胸に、いちはやくシーズン2を見ようと思います。

「一年前は『敵はニチアサにあり』と思い、会費を払わないと見られない配信作品として、それだけの価値を提供したいという思いで制作してきました。今回は、『仮面ライダーエグゼ○ド』ではなく『シーズン1』が敵だと思っています。『シーズン1』をもっと超えるもの、『1』を評価してくださったみなさまの期待に応えるものを目指しました。映像のテイストは変わりませんが、内容面は大きくスケールアップしています」

なお、イベントでは、シーズン2では、鷹山仁の登場は無いとされていましたが、出るのですね。シーズン1のキャラクターとどこまで関連するのかも含めて、シーズン2を見るのが楽しみです。

参考(過去日記)

⇒ガイバーの感想に見せかけた仮面ライダー鎧武の解説

TIGER&BUNNYの感想に見せかけた仮面ライダー

⇒これはウルトラマンですが、非常に読み応えのある一冊でした。

小林靖子さんのインタビューも含まれています。「アマゾンズ」を作った背景も、掘り下げて知りたいので、ムックなんかも買って読んでみたい。

*1:もう一つ重要なのは、玩具圧力が感じられないこと、です。