Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

サンボマスター『サンボマスターは君に語りかける』★★★★★

サンボマスターは君に語りかける (期間限定価格盤)
サンボマスターのボーカル/ギターの山口隆の顔と語り口は反則だ。
このアルバムを聴こうと思ったのは、口々に「傑作」と言う周りの声、というのも勿論あるが、深夜にやっていたNHKのインタビュー番組?「トップランナー」の再放送の影響が大きい。*1勿論サンボマスターが出演したその回、チャンネルを回したら彼等が出ていたという状態なので、実はスタジオライブは見ていない。本上まなみとのインタビュー、観覧席の一般人からの質問のやりとりだけを見て、完全に山口隆に惚れ込んでいた。顔は面白いが、とにかく熱い。「〜と思うわけですよ」などの口癖が「面白い」という要素もあるが、基本的に真面目で一生懸命、情熱的、いい意味での「バカ」だ。
実際に聴いてみると、それは果たして傑作だった。思ったほどバンドバンドしていない。実際、ホーンも入っているし、真城めぐみがコーラスに入っている曲があるし、渋谷系大好き人間としては非常に聴きやすいアルバム。
それだけでなく、このアルバムが優れているのは、やはり山口隆の語り。やっぱりタイトルが「語りかける」だけあって、山口隆が君に語りかけるわけですよ。
何曲かは、曲の頭に「語り」があったりして、それがうまい「つなぎ」として作用していると思う。ノンストップのミックスCDみたいに、途中で飛ばせないくらいの連続感があり、アルバムとしての一体感は相当のもの。例えば、9曲目「あなたが人を裏切るなら僕は誰かを殺してしまったさ」の出だし。

やはり僕はですね・・・
自分を・・・やはり・・・よこしまな男だと・・・
思ってしまうわけですよ
今鳴っているギターは ホワイトファルコン
まさに僕のよこしまさを・・
表しているとは思いませんか皆さん!
を!べいべ、かも!(→曲に入る)

山口隆のキャラクターとカリスマ性は、多分エレファントカシマシ宮本浩次に近い部分があるかもしれない*2が、僕としては、ほぼ同世代の山口隆に肩入れしたい。『HEY!HEY!HEY!』が一時期の勢いを失った今なら、ミュージシャンがテレビ界から余計なちょっかいを出される心配もない。このまま我が道を頑張って欲しい。3作目こそが勝負だと思う。
聴いていない人は一度聴いてみるべき。五つ星。
 
追伸:まずいです。同僚に理解されないのにカラオケで熱唱したい曲(というかアルバム)がまた増えてしまいました。一人で行くか・・・。

*1:上で挙げた「はちみつとクローバー」と前後して見た。普段は、この時間はテレビを見ないのだが、本当にたまたま見た。

*2:「多分」と書いたのは、実はあまりエレカシを知らないからです。すみません。でも音楽の方向性がやや軟化したという意味で、このアルバムは、エレカシでいうと『ココロに花を』に似ているのかなあと思う。