id:emsugar229さんと、実は身近なid:yukakongaさん、batonのご指名ありがとうございました。
さて、貰ったはいいが、どう書こうか?
そもそも、Baton系の企画は、制限が緩すぎるのが、ひとつ問題だ。先日のMusicBatonで、相当にいい加減な回答をした人間が書くのもどうかと思うが、結局、自分語りになるので、他の人のbatonを読んでも、ツボに入れば面白いが、そうならないことが多い。(逆に、制限が緩いから書きやすい、というのはある)
ただ、ガチンコに答えている人のエントリは、その人の半生が滲み出てくるようで、共通して面白い。*1そのためには、時系列で答えていく、という方法が効果的のようだ。
というわけで、あまり思い出に浸らない程度に、幼少期から遡ってみます。
今回、答える設問は、Reading BatonとBook Batonの二つを合わせて以下のように設定。
- 今読んでいる本
- 最後に買った本
- 思い入れのある本
- この本は手放せません!
- 次にバトンを渡すヒト3名
今読んでいる本
- 現 在:中西準子『環境リスク』、斎藤孝『子どもたちはなぜキレるのか』
- 長期戦:スティーブン・R. コヴィー『7つの習慣』、バラバシ『新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く』、ラッセル『幸福論』、グレッグ・イーガン『しあわせの理由』
最後に買った本
『音楽誌が書かないJポップ批評 37 ~サンボマスターと青春ロック地獄変』
思い入れのある本
■未就学児時代
加古里子『どろぼうがっこう』
この時期のことを思い出すと、すぐに浮かぶのが、『エルマーの冒険』とか、中川李枝子(『いやいやえん』『たんたのたんけん』等)なのだが、思い出してみるとかこさとしの本も近所の図書館で好んで読んでいた。「素直」ではなく「少し斜め」から見る自分のオタク的な感性は、かこさとしで育まれたような気がする。
■小学校低学年
ヴォルフガング・エッケ『エッケ探偵教室』シリーズ
小学校低学年のときは、ダントツで江戸川乱歩の『少年探偵団』シリーズなのだが、やはり子どもは探偵好きで、それ以外にもマガーク探偵団やら何やらよく読んでいた。そういえばマンガで『名探偵カゲマン』というのもあった。
書いていて思い出したが、毎月一回の天神様の縁日で、小学○年生の付録についていた「探偵クイズ」とかの類を100円でばら売りしていて、毎月それを買いにいくのを楽しみにしていた覚えがある。(一回に一冊しか買えない)
エッケ探偵教室も、探偵クイズなのだが、シリーズもので、雰囲気を持った作品だったので、答えがわかっていても繰り返し読んだ。今は絶版だという。
■小学校高学年
鈴木直人『魔宮の勇者達』
名作ゲームブック『ドルアーガの塔』シリーズの2巻です。
その後、他の本でも活躍するメスロンというキャラクターが初めて登場する巻だったように記憶しています。
これについては、以下のエントリをお読み下さい。
http://d.hatena.ne.jp/rararapocari/20050318#hihuki
■中学校
カール・セーガン『COSMOS』
ISBN:4022548037
一番背伸びをしていた時期に読んだ本。この頃の僕は、大学生になったらマルクスとかウィトゲンシュタインとか読んでいるんだろうなあ、と思っていた。
実際、この頃は、かなりの「科学少年」で、少年向けNewtonみたいな雑誌『コペル21』を、よく図書館で借りてきていたし、軽いものならブルーバックスも読んでいたように思える。半生を振り返って、最も勉強意欲に燃え、上昇志向があり、また能力的にも高かった輝かしい時代。
■高校
村上龍『コインロッカー・ベイビーズ』
村上春樹よりも龍に惹かれた。
エンターテインメントとして最高で、しかも読んで自己を顧みる小説。僕の好きなタイプの小説の典型。数年おきに繰り返し読んでいる。
■大学
河合隼雄『コンプレックス』
花村萬月『聖殺人者イグナシオ』
ISBN:4041898056
大学時代の自分は、といえば、自己の抱えるコンプレックスにとても意識的だった。ただ、それを解決する具体的な行動を起こさずに、モラトリアムに逃げていた。
自分の内面への掘り下げを行う際に基礎になったのが前者。10年ぶりに読み直してみたい。
花村萬月の作品によくある、自意識の強いキャラクターが、物語の中で破滅的な行動に走るのが後者。花村萬月の物語は、極度に過剰だが、主人公の持つ問題意識(それは、自意識の問題だけでなく、ときに「差別」についての問題意識)が、自分へいつも問題を投げかけていた。
ところで、この時期は、相当ミステリを読んでいた。いわゆる新本格の時代。その後、京極夏彦とかが出てきて、新本格の隆盛に翳りが見えてきてからはあまり読んでいない。好きだったのは、ちょっとマニアックな竹本健治、摩耶雄高。
■社会人
社会人になってから、特にこれは、というものはすぐに思い出せない。今年に入ってから、結構「当たり」が多いが、とりあえず、昨年面白かった3冊を挙げると以下のようになる。
- 岡本太郎『 自分の中に毒を持て』ISBN:4413090101
- 高木仁三郎『原発事故はなぜくりかえすのか』http://d.hatena.ne.jp/rararapocari/20041123#genpatu
- 湯浅健二『サッカー監督という仕事』http://d.hatena.ne.jp/rararapocari/20040927#doku
はてなで文章を書くようになってから、前よりも面白い本に出会いやすくなってきた気がする。それは、ポジティブに捉えれば、自分の中の色々な分野での問題意識が広がってきているからかもしれない。悪く考えれば、仕事の方に自信が持てずに読書に逃げているのかもしれない。
多く本を読むことが人間性を成長させるとは言えないし、逆に弊害もあるとは思うが、読んだ分だけは自分の実になるようにしたいなあ。
この本は手放せません!
読む本はメジャーなものが多いからそう簡単に絶版にはならない。とすれば、一部の雑誌が捨てられないものになります。具体的には
ちなみに、前者には、桜井和寿の「僕は岡村靖幸パート2になりたい」の発言が載った岡村ファン必携の書。
次にバトンを渡すヒト3名
バトンを回すという仕組みは、僕はあまり好きではないです。kubokeさんが言う以下の文章には非常に納得できます。
しかし、それ以上に納得いかないのは、そもそもblog自体が自然にコメントやトラックバックしあうことで、同じ趣向の方とのつながりがゆるやかに広がっていく機能であるのに、わざわざ強制的なルールでつながりを作る必要性を感じないこと。
ただ、古くからの友人には、ちょっと話題を振ってみたいなあ、という気持ちもあり、id:D16、id:atnb、id:kouxxあたりに少し書いてもらえないかなあ、と独り言を言っておきます。スルー上等です。
一方、上に書いたように、面白い企画には、トラックバックなりで自発的に参加するのが良いと思います。具体的には、これです。
マイランキング@オリジナル・ラヴ
http://d.hatena.ne.jp/rararapocari/20050412#OL
僕がはじめたわけではないですが、興味を持ったOLファンは是非参加を!
(追記)
id:kubokeさんの杯にお酒*2をつがせてください!僕は『スティル・ライフ』をkubokeさんのブログ見てから読んだので、読書についても恩恵を受けています。そのご縁で、どうぞよろしくお願いします!
*1:つまり、自分のMusicBatonエントリは最悪の部類に入ります
*2:何故お酒かは以下を参照。http://d.hatena.ne.jp/kuboke/20050627/p1