Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

日経概観(7/8(日))

週に一度、自分をチューンアップするコーナー。

バイオ燃料 EU、国際ルール作り/取引や生産 温暖化会議で提案へ(1面)

目的は、価格の安定化、公正取引の確保、森林保護への配慮だが、米欧の主導権争いが激化する可能性も。
以下、基本事項の再確認

参院選と市場の玉手箱(3面:けいざい解読)

参院選の安倍政権への逆風と市場心理について。
英誌「エコノミスト」ネット版記事では、参院選の結果を受けたあとの政府について以下のように予想されているという。

  • 自民惜敗⇒国民新党との連携
  • 自民大敗⇒安倍退陣、麻生か谷垣
  • それ以上の惨敗⇒自民、民主の改革派による新党結成(小沢一郎に求心力がないため)

これは、3つ目が希望だなあ。2番目は、誰が首相になっても変わらない気がする。小池百合子?そうなったら、それは凄いが・・・。

耳かき自己流に注意(10面・健康)

  • 「きれいにしすぎると逆にカビが繁殖しやすくなる」
  • 耳掃除はどうしたらいいのか。専門家が口をそろえるのは「あまりしないこと」。もしやる場合でも2-3週間に一度にとどめる。
  • 耳あかは入り口から1cm程度の見える範囲を無理なく取るのが基本だ。

ずぼらなので、2週間に1度くらいになっているかもしれないが、それでも気になるときは毎日のようにしてしまう。もしかしたら、そのときはカビが繁殖していたのかも?

往年のミステリー世代交代で新読者(23面・読書:活字の海で)

出版社の宣伝もあり、エンターテインメント小説で往年の作品のヒットが目立つ、とされている。典型例は、志水辰夫『行きずりの街』(1990発表)、小蜂元『アルキメデスは手を汚さない』(1973発表)。
『行きずりの街』は10年以上チェックしっぱなしの作品だ。大学生のときに「本の雑誌」の北上次郎(書評家?)のオススメ作品を漁っていた時期があったが、この作品は、中でも特にプッシュされていた。
今後、稲見一良作品の復刊なども進むらしいが、こちらも同じく、「本の雑誌」で知った人。(北上次郎or坂東齢人)早く亡くなった惜しい作家。

医師不足 深刻に

医師不足の問題点は、簡単に分けると以下の3つ。

  1. 地域の偏り
  2. 診療科の種類による偏り
  3. そもそも日本は医師の絶対数が少ない

3つ目は根本的な問題といえる。OECD調査では、人口千人あたり医師数は加盟30か国中27位。
この原因はそれぞれ以下の通り。(かなり単純化しているが)

  1. 2004年に導入された新しい臨床研修制度により、新人医師が研修する病院を決める際に、裁量性が増し、地方の病院へ行く人が減った
  2. 産婦人科や小児科については(1)比率が高い女性医師にとって、出産や育児との両立が難しい(2)救急患者が多く、負担が重い
  3. 1985年に政府が、それまでの医学部の定員増加方針を改め削減を始めた

これらの対策としては以下の通り。(代表例ということだと思うが)

  1. 「緊急医師確保対策」のひとつ:医師不足地域に臨時的に医師を派遣。また各地方では医学部の奨学金制度(地域医療に携わることを条件)など。
  2. 同じく:病院内保育所の整備⇒(1)対策として。
  3. 定員については、未定。厚生労働省「毎年4千人ずつ純増しており、2022年に医師不足は解消」としているが、定員増を求めるものも多い。

記事にはグラフが載せられており、これを見ると、確かに右肩上がりで医師数は増えているようだ。ただし、それこそ診療科や地域の格差をあった上で、ということだろう。都心部の歯科が必要以上に多いことなどは、街を歩いていれば気づく。
原因の1、3が典型だが、この問題は、厚生労働省の裁量によるところが非常に大きい。つまり、厚生労働省の読み間違えが事態を大きくしているとしか思えない。国民年金介護保険も大きく読み間違えているようだから、「先読み」の部分は、外部に委託した方がいいのではないか?(難しいことは分かっているが)

介護の行方−コムスン余波−善意の支え もう限界(39面)

気になるところを抜粋。

(介護支援事業所を運営する方の意見)最近感じるのは、ケアマネの仕事を超えるケースが急増していること。後見人と一緒になって動いたり、夜中の二時に入院手続きをしたり、認知症の男性の息子の家庭内暴力の問題までケアしたり・・・。

介護報酬がもらえる部分とは異なる部分のサービス提供も強いられるという話。
これに少し似た話をJMM*1で見かけた。もともと「医療格差の解決に必要な考え方とは?」という議論の中で出ていた、読者の小児科勤務医の方からの意見は「小児医療を担う人材が足りないから格差が生まれる、というのは事実である一方、あまりにも安易に病院を受診しすぎているから足りないのではないかとも思う」というもので、これには、確かに、そういう視点もあるなあ、と頷かされた。
例として挙がっているのは以下のようなもの。

たとえば子供が発熱したとき、病院に行くという選択肢以外、どうしたらいいのか分からない親がたくさんいます。休日診療所の近所にあるマクドナルドが、診療所帰りの家族でいっぱいになる、という笑えない話が現実にあります。
私たちは、マクドナルドが食べられるなら休日にわざわざ診療所を受診する必要はないと思うのですが受診される方からするとそうではないようです。「昨日から下痢をしているんです」
と連れてこられた子供が、アイスクリームやケンタッキーフライドチキンを食べていることは珍しくありません。

介護の例と同列に扱うことは難しいかもしれないが、日本人が金銭と引き換えのサービス提供(時間拘束)という考え方に慣れていないということは本質的な問題としてあるのではないかと思う。
例えば、ベビーシッターなどの仕組みが普及している国であれば、上記のような状況は起こりにくいような気がする。(勿論、小児医療については、地域によっては診療代が無料であることも拍車をかけているのかもしれない。)
だったらどうすれば、と言われると、よくわからない。が、介護について言えば、ケアマネの仕事を超える部分の仕事まで見込んだかたちでの給料がもらえることは期待できない以上、それを断るかたちで、つまり人間関係はドライになる方向で事業は淘汰されていくのだろう。「家庭内暴力の問題」への対応はオプション料金になるのだろう。(笑・・・笑えない)

*1:JMM村上龍主催のメールマガジン。今回引用したのは「[JMM433Ex3] 読者投稿編2」の回。