Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

日経概観10/28(日)

一週間に一度の勉強コーナー。

時代拓く「知」の出発点に/「学びの針路」を示せ(1面・ニッポンの教育第5部(5))

日本の教育の混迷に焦点を当てた文章で、コンテンツではなく「目的」も重要という話。

「日本では国際学力調査で読解力の点が低いから読解力を育てるといった議論ばかり。どういう人材を育てるのかをはっきりさせないと付け焼き刃の改革が繰り返される」(日本IBM・北城恪太郎)

先日の全国学力テストを考えても、まさに、その通りなのだが、国民全体の目標がある程度一致していた高度成長期までとは状況が異なる。中国などには到底太刀打ちできないのではないか?と感じたが、学習意欲の低下を「社会が豊かになったから」とする論理については、日本よりも学習意欲が高い米英の存在を挙げて、通説を否定する。

「望ましい教育の姿が分からないなら、教育の消費者である保護者や子供に選ばせるべきだ」(堺屋太一
「日本の大学は社会貢献に汗を流す人材を育てるという草創期の志を忘れてしまった。私立大学は“志立”であるという原点に戻らなくては」(早稲田大学奥島孝康総長)

解決策として挙げられるのは、消費者主権と原点回帰。
しかし、「教育の消費者」*1という感覚には、少し違和感がある。
この日、一面にも教育バウチャー特区の話題が出ていたが、小中学校の義務教育と高校以降の教育は分けて考える必要があり、義務教育の段階で、選択した親の「自己責任」を強いるような教育制度はちょっと問題があるのではないかと感じる。

春秋

これさえ手に入れれば無敵になれる。失敗ばかりだった日々に終止符を打ち来年こそはデキる人間に生まれ変わるのだ。「究極の手帳」を探して文具店に押し寄せる人々は、そんな決意に満ちた顔をしている。売り場には殺気すら漂う。

最近、奥さんが、「何でも出来る家計簿」みたいなものを買ってきたようである。主婦は、手帳ではなく「究極の家計簿」を探すようだ。
ちなみに、自分は現在は手帳は使用していない。フランクリンプランナーのようなでかいシステム手帳は、ボリュームが大きく、その重さの分だけ、心に「重荷」になってしまう。

貸自転車、パリで快走/安上がり、通勤通学の足に(38面・世界いまを刻む)

見出し通り、パリで自転車が流行っているというニュース。
市が自転車専用道路の増設を進めているということにまず驚き。そして、この部分にさらに驚き。

昨年、パリ市がまとめたアンケート調査によると、自転車利用者の88%が「一方通行を逆送できれば、移動時間の大幅な短縮につながる」と回答。

自転車といえば、それこそ9割方は歩道を走っている日本からすると、ありえない回答。勿論、どちらがいいかは分からないが。
⇒参考(過去日記):鉄腕DASHと、自転車の安全利用

⇒補足:パリの「貸し自転車」制 官民複合モデル大成功

パリ市が排ガス削減対策として7月に導入した貸し自転車制度「ヴェリブ」(Velib’)が成功を収めている。参入民間企業は制度の管理・メンテナンスを担う見返りに、公共スペースに有料で広告を掲載する権利を得る一方で、貸し自転車の利用料収入(年間約33億円)は市の財政に寄与するという、新しいタイプの官民複合事業モデルが効果を発揮しているようだ。

日経記事が、貸し自転車制度の問題点(自動車の渋滞、事故増加)にやや重きを置いていたのに対し、FACTAの記事はビジネスモデルとして注目した扱いになっている。日本人の感覚だと、こういったレンタル制度は、相当厳しく管理しないと、すぐに自転車そのものが減っていくことになると思う。(そして、それらは、中国などに流れてしまう)そこら辺の対策はどのようになっているのか知りたいところ。

胃がん予防を期待 ピロリ菌除菌広がる/費用とリスクで判断(10面・健康)

厚生労働省の研究班によると

  • ピロリ菌感染者の胃がんリスクは、非感染者の5-10倍
  • 胃がん患者の94%はピロリ菌に感染している
  • 日本人の大半は「ピロリ菌に感染すると胃がんになりやすい」遺伝子を持っている

費用については

  • 5000〜3万円程度(病院や検査の種類で異なる)
  • 基本的に自費診療(胃か十二指腸に潰瘍がある場合のみ保険診療可能)

ただし、1割の人に逆流性食道炎が起きるほか、除菌の成功率が100%ではない、いつ除菌すればどの程度胃がんを防ぐことが出来るかということについては未解明など、わからないことも多い、とのこと。
以前から興味があったので、近くの病院で費用がどのくらいかかるのかは確認してみようか。

敷金・礼金 なぜ消える?/外国人を積極受け入れ 人口減少社会に対応(29面・エコノ探偵団)

敷金・礼金が消えた原因として挙げられているのは以下。

  • 賃貸住宅は供給過剰で競争が激化
  • 空室を最小限に抑えようとする不動産ファンドの影響
  • (敷金・礼金といった慣習を理解できない)外国人の入居を積極的に受け入れる動きの広がり(人口減少の影響)

ここでは3番目の外国人の話がメインの理由として扱われているが、賃貸が供給過剰というのは、やはり傾向として大きいのだろう。
⇒参考(過去日記):日経07/8/26「ケーブルテレビなぜ普及?」

*1:先日のTBS文化系トークラジオLIFEのテーマ「先生」の回にも話が出ていた。