Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

『愛と感謝の美容室 バグジー』1・2


愛と感謝の美容室 バグジー 1

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愛と感謝の美容室 バグジー 2―『心を育てる』感動コミック VOL.2
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「本が好き!」さんからの献本。
美容室「バグジー」についてのエピソードを満載した自己啓発漫画で、Amazonの紹介文を引用すると、概要は以下のとおり。

福岡県北九州市に、7つの美容室を展開する有限会社バグジーは、社員の辞めないお店、お客様の再来店率・紹介率の高いお店として美容業界だけでなく、他の業界からも注目を浴びている会社です。

久保華図八社長は、渡米経験のあるカリスマ美容師として、帰国後、北九州で美容室をオープンしますが、ある時、新規出店を目前にして幹部が立て続けに退職し、一時は倒産の危機に陥りました。
それをきっかけに、実力主義成果主義を改めて、社員満足・お客様満足の経営をめざすようになり、今では、高い社員満足と顧客満足、そして年率2ケタの成長を実現されているのです。

久保社長は現在、年間300回に及ぶ大手企業を中心とした講演活動や全国レベルでのインストラクター教育に取り組まれており、先日、NHKの「ビジネス未来人」にも出演されました。
感動コミックシリーズ第一弾では、「バグジーマジック」と言われる感動経営の秘訣を、ご紹介します。

職業についての本であるから、自然と自らの仕事観と比較しながら読むことになるが、かなりの部分について圧倒され、自分の仕事に対する考え方を見直さなくてはと言う気持ちになった。。

  • 職場の雰囲気:スタッフ同士が仲がよく、一丸となって仕事に取り組んでいる
  • 社会貢献:地域密着を目指し、店舗近辺の清掃活動も積極的に行う。病院などへ出張して行うボランティアカットなどの社会貢献。
  • 感謝:顧客に感謝されることを積み重ねることは勿論、顧客やスタッフに向けて感謝の気持ちを持ち続け、行動として示している。

そして、これらのことが、すべて仕事のやりがいにつながっているという事実。
まだ若い組織で、目が届く規模であることが、こういったことを可能にしているともいえるが、どういった組織でも参考と出来る部分がたくさんあると感じた。

特に、2巻のリーダー論は、実用的というよりは自戒の言葉として、胸に記しておきたい。

リーダーとは

  • 自分の都合で生きるのではなく、相手の都合に合わせられる人
  • 相手の喜びや悲しみに参加できる人
  • みんなの心を晴れやかに出来る人
  • 利より信を選べる人
  • 周りのお役にたてる人
  • ギブアンドギブで生きられる人

また、久保華図八社長が事業の拡大について、師と仰ぐ北川八郎に相談に行ったときのアドバイスもよかった。

お店を急拡大して喜ぶのは経営者だけ。
もし、君が饅頭屋さんだったら
お店が繁盛してくると、きっとあんこを少なくして饅頭をたくさん作ろうとするだろう。
でもね、そんな時こそ、饅頭の数よりもあんこを増やした方がいいんだよ。

まあ、自分は経営者ではないから、直接関係ないのですが・・・。

〜〜〜
とはいいながら、やはり、自分の仕事観とはどうしても相容れない部分もある。
それは、全体を貫くスタンスとして存在する「大家族主義」。

  • 入社式、キャンプ、クリスマスイベント、忘年会の四大行事に欠席すると即退社
  • 入社式で行われる、新入社員の親からの手紙の朗読
  • 久保社長が自宅で食事するのは毎月第三日曜日のみで、それ以外はほとんどスタッフ達と食事

勿論、これがないと「バグジー流」ではないのだろうが、ある程度、会社とプライベートを切り分けたい自分には抵抗がある。また、ワーク・ライフ・バランスというような言い方で、「ワーク」よりも「ライフ」に目を向けるようになってきた世間一般的な流れとも逆行しているように思う。
〜〜〜
ただ、そういう批判的な気持ちはあっても、巻末のスタッフの写真なんかを見ると、幸せそうで、やっぱり羨ましいと思ってしまう自分もいるのだ。仕事ってなんだろう?という素朴な疑問に立ち返る二冊だった。

追記

なお、肝心の漫画。決して絵が下手なわけではないのに、素人くさく=安っぽく感じる。線が細い(((太いところもある。一巻P118-120など限定的なのはなぜかよくわからないが。))割に、枠線が太く、画面が白い(背景があまり描かれない)のが原因だと思う。内容よりも絵柄によって「胡散臭い」と感じてしまうところもあるように思わせてしまうのはマイナス。
(次エントリに内容続く)