Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

谷岡一郎『SFはこれを読め!』

SFはこれを読め! (ちくまプリマー新書)

SFはこれを読め! (ちくまプリマー新書)

SFガイドは、薦める側の思い入れが強すぎて、初心者向けに書かれたとしても、かなり内容の厚い(熱い)ものになってしまう。
そういう意味で、この本のライトな感じは、ヘビーなSFファンでない自分にとって、かなりのツボだ。横山えいじのイラストと、時折引用される手塚治虫とりみきの漫画などのおかげで、分量が少ないだけでなく、先生−学生の対談形式なので、とにかく読みやすい。ちくまプリマー新書という、「ジュニア新書」的の役割にも十分合っていると思う。

挙げられている本も、マニアックに捻ったものは、おそらくかなり絞られており、大半が「マスト」作品となっていて、自分も読んだ本がいくつもあった。悲しいのは、内容をほとんど覚えていないこと。
『エンダーのゲーム』『たったひとつの冴えたやり方』『マイナス・ゼロ』『リプレイ』『星を継ぐもの』『ファウンデーション』シリーズなど、ことごとく思い出せない。さすがに数回読んで、筋も単純なアルジャーノンは覚えているが、もう少し、本の内容を人に話したりする方がいいかも。

さて、本題に戻るが、ラストでは、オールタイムベストが披露されたりして、ファンとしてやり切った感のあるこの本。SFの批評で食っている人では、ここまで一貫した素人目線では書けないよな、と思って著者解説を見ると、『「社会調査」のウソ』などの著書のある大阪商業大学学長の谷岡一郎氏。かなり親近感の持てる本だったので、この人の本ももう少し読んでみたい。

なお、次に読みたいSFは、やはり、以前から読みたかったテッド・チャンあなたの人生の物語』。古典とかではなく、なるべく新しいものが読みたいし。

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)