Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

『ゴールデンスランバー』(1)〜とにかく個人的に感動

知人のオススメで、予備知識なし(原作も未読)で見たが、いくつかの個人的な理由もあり、かなり感動した映画となった。
あらすじを原作本の方から引用。

冴えわたる伏線、印象深い会話、時間を操る構成力……すべての要素が最強の、伊坂小説の集大成!!

仙台での凱旋パレード中、突如爆発が起こり、新首相が死亡した。同じ頃、元宅配ドライバーの青柳は、旧友に「大きな謀略に巻き込まれているから逃げろ」と促される。折しも現れた警官は、あっさりと拳銃を発砲した。どうやら、首相暗殺犯の濡れ衣を着せられているようだ。この巨大な陰謀から、果たして逃げ切ることはできるのか? 

まずは、中身よりも感動した個人的ポイント3点。

オール仙台ロケ

3点というよりも、この1点につきる。
クライマックスの舞台となる勾当台公園や、逃亡劇を繰り広げる仙台市街地の定禅寺通り、藤崎、フォーラスは勿論、西公園の花火打ち上げ場所、ロッテリアヨドバシカメラオートバックス(286沿い)、泉の仙台ロイヤルパークホテルに至るまで、「分かる分かる」の連続で、舞台のスケールがここまで実感できる映画は、初めてだ。
そのほか、KHBの「お天気情報」、八木山ベニーランドのCM、八木山動物園のアビシニアコロブス、KHB「ナマイキTV」の本間ちゃん等、仙台人なら頷きっぱなしのサービスで撃沈だろう。
伊坂幸太郎という偉大な人物が仙台を舞台に小説を書き続けることに対して、市は補助金を出した方がいいだろう。

学生時代の友人の有難さ

物語は、「政府の陰謀」に端を発する逃亡劇がメインではあるものの、メインテーマである友情や信頼が育まれた学生時代のストーリーが数多く挟まる。
周囲からもよく言われたことでありながら、自分自身を振り返ると、やはり社会人になってから十数年を経て、やはり学生時代に築いた交友関係は何にも代え難いものだなあと思わされる。
勿論、個人差のあることだとは思うが、自分の場合、青柳や過去を振り返る場面は、自分自身の大学時代を重ねながら、必要以上に涙腺を刺激された。

関連音楽

ゴールデンスランバーは、ビートルズのアルバム『アビイロード』の1曲だが、映画タイトルからは、そのことに気付かなかった。
そもそも、『アビイロード』のB面メドレーは、メドレーとして捉えていて、それぞれの楽曲名や詞の意味は全く意識していなかったし、曲の切れ目もあまりよく分かっていなかった。(特にGolden Slumbers〜Carry That Weight)
しかし、何度も聴いたアルバムであり、メロディー自体も好きな曲だったので、映画自体に入り込みやすかった。なお、主要登場人物の4人(学生時代の仲間:青柳、森田、カズ、晴子)それぞれがこの曲を口ずさむシーンがあり印象的だ。

アビイ・ロード

アビイ・ロード

そして斉藤和義
実は、斉藤和義は、しっかりアルバムを聴いたことがなく、数曲しか知らない。が、その数少ない一曲である「幸福な朝食 退屈な夕食」がエンドロールで流れたときは、唐突な感じもしたが、カッコ良いだけでなく、映画との整合性が高く感心した。というか、映画音楽はまとめて斉藤和義が作っているから当たり前なのかもしれないが・・・。
斉藤和義の音楽にかなり興味が出てきたが、最初の一枚は、映画のサントラで間違いないです。

ゴールデンスランバー~オリジナルサウンドトラック~

ゴールデンスランバー~オリジナルサウンドトラック~

(続く)