Yondaful Days!

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茅田砂胡『デルフィニア戦記』第一部2巻まで〜痛快過ぎて不安になるほど!

放浪の戦士〈1〉―デルフィニア戦記 第1部 (中公文庫)

放浪の戦士〈1〉―デルフィニア戦記 第1部 (中公文庫)

男は剣を揮っていた。黒髪は乱れ日に灼けた逞しい長身のあちこちに返り血が飛んでいる。孤立無援の男が今まさに凶刃に倒れようとしたその時、助太刀を申し出たのは十二、三と見える少年であった…。二人の孤独な戦士の邂逅が、一国を、そして大陸全土の運命を変えていく―。 (裏表紙あらすじ)

2冊目まで読了。面白い。


30代も半ばになると、自分は読み切れない本を貯め込み、結局すぐに本棚のキャパシティを越えてしまうと分かってきたので、最近は本を買わないようになった。また、古い本はなるべくブックオフに出すようにしている。どんなに名作でもワンピースはレンタルで済ますことにしたのもそのためだ。(60巻だけ買ってしまったが。)


その自分が、司馬遼太郎の数冊とともに、いつか読むだろうと思って売らずに貯めていたのが、デルフィニア戦記のうちの初めの2冊。グイン・サーガは読んでいたものの、それ以外のファンタジーは積極的に読むことをしなかったが、北上次郎*1が『十二国記』と並べてオススメするライトノベルということで、ずっと気になっていた本だ。
購入当時はタイミングが悪くて、先に進めなかったが、今回読み直したら、単純に面白く、早く先が読みたくて仕方なくなった。


さて、内容。
上のあらすじで書かれている孤立無援の男こそは、デルフィニア国王のウォル。そしてそれを助ける少年?ではなく少女がリィ。
本来王宮にいるべき人物が国外で身を追われ、異世界からの超人に救われるというオープニングは、まさにグイン・サーガなのだが、グイン・サーガとは、救う側−救われる側が逆になっているのが面白い。すなわち、美少年+美少女を、戦士が救うのがグイン・サーガで戦士を美少女(美少年?)が救うのがデルフィニア戦記
読み終えた2巻目までの内容は、リィの人間を超越した活躍が話の中心になるが、リィの強さが圧倒的すぎて痛快。剣術の強さだけで押し切らず、北斗の拳で言うと「黒王号」のような馬の扱いの巧さなど、バリエーションを見せながら、その超人ぶりが語られる。
2冊目最後は、それでもウォル達に不利な局面が訪れるも、2巻までは敵側に同情してしまいそうな展開だったので、それくらいのハンデは必要だろう、と思ってしまう。
グイン・サーガを初めに例として挙げたが、あの物語のような隔靴掻痒の展開にはならずに、スパッと楽しく話が進んでいくのだろう。
途中で飽きが来るのでは?という不安もあるが、北上次郎のお墨付きもあるし、最近ワンピースを60巻読破したことを思えば、全18巻なんて全く問題ないだろう。


早速「図書館」で続きを借りてきたのだった。

*1:北上次郎は「本の雑誌」のご意見番。大学の頃は、フィクションは、この人のオススメを参考にすることが多かった。