Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

高いレベルの実用書〜みうらじゅん『親孝行プレイ』

親孝行プレイ (角川文庫)

親孝行プレイ (角川文庫)

偽善でもいい。まずは行動。親の喜ぶ顔を見れば、心は後からついてくる。
最初は偽善でもかまわない。まずは行動。”プレイ”と思えば照れずにできる。心は後からついてくる。著者が自ら行い確証を得た、親を喜ばせる具体的なワザの数々。親に電話したくなる、温かい気持ちになる一冊。 (Amazon紹介文)

図書館でふと借りたこの本が傑作過ぎて驚いた。
講義形式で、親孝行に悩める読者(親コーラー)を導こうとする語り口は、とても読みやすい。また、頻繁に登場する、テレビ前の食卓における親子の位置図(ポジショニング)も分かりやすい。
一方で、明らかに受け狙いの部分(最高の親孝行は、収監されること等)を含みながらも実用書として「使える」技術が満載で、しかもそれが理に適っているので、本当に授業を受けているような気分になった。
いとうせいこうとの互いの親孝行旅行に同行した話あたりも、とても興味深く読んだ。
もともとが10年くらい前の本であり、やや親世代の想定が上(昭和10年代生まれくらい?)である点、基本的に男性の親コーラーを相手に書かれている点を除けば、誰にでもオススメできる本だった。
具体的な親孝行技術については、図書館で借りるor購入したときに改めてレビューしたいので、内容については、あまり触れられなかったが、とにかくオススメです。