Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

図書館と僕(3)図書館の持つ「雑」なる部分のメリット

図書館のメリットは、無料で好きな本を借りることができること。
そう思う人も多いだろうが、小さい頃から図書館通いを続けてきた自分にとっては、(はじめ)が「無料」なので、無料だからというメリットは、二次的なものだ。
それでは、何がメリットかといえば、よく知らないジャンルの面白そうな本と出会える、ということがひとつ挙げられると思う。具体的には、新着本コーナーと返却棚(「本日返ってきた本です。借りられます」とか書いてある棚)の本での出会いによるところが大きい。
自分の場合は、この二つの棚で、引っかかるところのある本を借りることが多い。特にようたのために借りる本は、返却棚率が高い。そうすることのメリットは、一番はじめに書いたとおり、未知のジャンルの面白そうな本と出会えるということ。文化系トークラジオLifeで、雑誌のことが話題になるときに、(自分の視野の範囲だけの情報を掘り下げていくインターネットと比較して)興味の範囲を広げていく「雑」の部分の持つメリットについて語られることが多いが、この話に通じる。
だから、これらの棚がほとんど無いような図書館にはあまり魅力を感じない。仙台でいうと、メディアテークにある中央図書館は、(児童書コーナーしか見ていないが)これらが充実していないので、あまり好きではない。

ちょうど今回借りてきたのは、これ。図が多くてすごく読みやすそう。

大人のアスペルガー症候群 (こころライブラリーイラスト版)

大人のアスペルガー症候群 (こころライブラリーイラスト版)

〜〜〜
以下、先週、返却した本7冊

吉田修一『悪人』

悪人

悪人

先日感想を書いたとおり。大満足。

佐藤幹夫自閉症裁判』

自閉症裁判 レッサーパンダ帽男の「罪と罰」 (朝日文庫)

自閉症裁判 レッサーパンダ帽男の「罪と罰」 (朝日文庫)

いわゆるレッサーパンダ男事件に関する本。かなり重い。『悪人』と半ば並行して読んだため、フィクションであるはずの『悪人』の臨場感が増すという効果を生んだ。結局、半分だけしか読めず延長。

『しあわせになったけちんぼばあさん』

しあわせになったけちんぼばあさん (1977年) (ふるさとの童話)

しあわせになったけちんぼばあさん (1977年) (ふるさとの童話)

奥さん思い出の児童書、ということで、ようたに借りた本。絵本というよりは、文字の割合の多い本だったが、ようたは十分楽しんだよう。

オールズバーグ、村上春樹訳『名前のない人』

名前のない人 (The Best 村上春樹の翻訳絵本集)

名前のない人 (The Best 村上春樹の翻訳絵本集)

新聞の文化欄が何かで取り上げられていたので借りた本。表紙の絵柄のインパクトは大きいが、内容的にはそれほど突飛ではない。記事でどう取り上げられていたのかが今更ながら気になる。

『マンガ 孫子韓非子の思想』

マンガ 孫子・韓非子の思想

マンガ 孫子・韓非子の思想

マンガなのでわかりやすいが、一項目が1〜4頁程度で淡々と進むため、気持が盛り上がるわけではない。文章だったらすぐに挫折するかも。

北村慶『温暖化がカネになる』

「温暖化」がカネになる

「温暖化」がカネになる

「第3章 資本主義経済は永続可能か」のみを読むために借りた。この問いに対する答えは、「新たな経済学の考え方の導入なしには不可能」というもの。(新たな経済学とは、使用資源量に応じて税金を支払うシステムで、排出権取引もそれに含まれる)
温暖化というよりはエネルギーの観点から、現代社会の発展の限界に言及している点が分かりやすかった。

小貫信昭『45歳 ピアノレッスン!』

45歳、ピアノレッスン!

45歳、ピアノレッスン!

今年の目標はピアノをそれなりに弾けるようになること!と思い、年末に購入した電子ピアノを少しずつ練習していたが、ここ1週間くらい離れている。予想通り、両手別々の動きができないのだ。(テンポの違う音を叩くことができない)
この本は、ずぶの素人の音楽評論家が、ピアノを始め、「明日に架ける橋」から「ワルツ・フォー・デビー」までをものにする話。やはり、ぶちあたっている「両手問題」も「ひたすら練習」(片手ずつ練習して、楽譜を細かいテンポに分けて繋ぐ)でクリアしているので、この人を見習いたい。
ポイントのひとつめは、『40歳からのピアノ入門』の鮎川久雄氏ほど始めから弾けないので、共感できる点。(その分、ストーリー的にはだらだらしている)
もう一つのポイントは、一人の先生につくレッスンを通しており、先生がアレンジした課題曲を学んでいくスタイルをとっている点。巻末の先生との対談では、コード弾きではなく、譜面で弾く方が、両手の動きから生まれる肉体的な喜びを掴める点をメリットとして挙げている。
さあ、自分も練習しなくちゃ!