- 作者: 美内すずえ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 1994/09/01
- メディア: 文庫
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これらの劇は、劇団主催のものではないため、"速水真澄が見ていないマヤの舞台"として希少価値があります。
白眼の演劇部部長は、特に「通り雨」のマヤの演技ひとつひとつに「なんなのこれ?」「みごとだわ」「こんなバカな」「とても演技とは思えない…」とコメントをしていくのですが、マヤの演技がいかに凄いかの説明をする役回りだったようです。
物凄い「いじわる」をしてくれそうだったのですが、何も始まらないままに、「ごめんなさい」とマヤと握手して、部長の出番は終了します。
そしてマヤの地味な頑張りと平行して行われた、姫川亜弓の一人芝居「ジュリエット」。12巻の後半は、この「ジュリエット」を軸に物語が大きく動き始める重要な巻となっています。
「ジュリエット」でのアカデミー芸術大賞授賞式の場での月影先生の紅天女の後継者は亜弓さんに決定宣言(条件付き)という展開は、この後の展開を大きく動かすものとなりましたが、それ以外にも月影先生の名言続出です。
- 亜弓さんの洗練された演技と較べるとまるで素人ね…
- 自信と闘争心…亜弓さんにあってマヤにないもの…才能を生かすも殺すもこの二つにかかっているといっても過言ではないわ。
- マヤには荒療治が必要です。
- 北島マヤ…あの子は天才よ!
この巻の一番最後には、亜弓さんが自らの半生を足早に振り返ります。
パパとママの「七光」から抜けだし、「自分の実力」を認めてもらおうと、常にギリギリまで努力をする「努力の天才」としての亜弓さんがよく分かります。
なお、紫のバラの人のメッセンジャー役として聖さん(聖唐人)が初登場です。
また、詳しい説明が無いですが、桜小路君の彼女・舞ちゃんも2コマ+2つの台詞で初登場です。