社説(原発の安全性高める技術開発を閉ざすな)
原発事故が突きつけたのは、安全への過信の戒めである。再び事故を起こさないためには、原発の安全性を高める技術基盤の維持が不可欠だ。示された選択肢の議論にはこの視点が欠けている。
私たちはかねて「エネルギー政策の調整と点検の期間」を設けるよう提案してきた。原発は当面、一定数を維持しつつ、再生可能エネルギーや省エネの拡大に努める。5〜10年後に、その成果を見極めたうえで原発の位置付けを改めて決めるという考えだ。
こうした提案であれ、審議会の選択肢のどれであれ、少なくとも30年までは原発を使い続けることになる。その間の人材を確保し、安全技術を高める場が欠かせない。耐用年数を迎えた原発を、確実に廃炉にする技術の確立も必要になるだろう。
強く同意。
なんだけど、そういった技術開発に国費を投入する以上、国民からの信頼が大切。自分は原発ゼロにこだわることは意味がないと考えるので、日経新聞の全体的な論調に賛成するが、今回の大飯原発再稼働の問題についても議論の過程がイマイチわかりづらい。また、十分な準備期間があったにもかかわらず停電必至の状況は関西電力の怠慢が招いているとも思うので、国としては、そのような怠慢企業にもっと強く指導する必要があると思う。
いわゆる「原発ムラ」のイメージを払拭しなければ、技術開発という言葉にすら拒否反応を示す人もたくさんいるような気がする。
中国 一党支配はいま(4)消費社会の光と影/内なる最貧国と先進国(1面)
ギャッツビー時代への回顧/享楽と影、米の憂鬱示す(13面:日曜に考える)
貧富の差が広がる北京。農村から上京し、広さ4平方メートルほどの窓のない小部屋で暮らす「鼠族」がいる一方で、カードでランボルギーニを買う金持ちの二代目もいる。
格差問題に悩む米国。「狂騒の1920年代」を描き出した米大衆文学の代表作「グレート・ギャッツビー」が映画リメイクやファッションなどで再び脚光を浴びているという。貧農から成り上がり、巨富を築いた主人公ギャッツビー。1月の米大統領経済諮問委員会では、格差の固定化を示すグラフを「グレート・ギャッツビー・カーブ」と名付けたという。
今年初めのダボス会議で今後のリスクとして上がった「逆理想郷(ディストピア)の種」。将来に希望を抱けない若者の増加や貧富の格差の拡大が、人々の不満を膨らませるリスクだという。記事で取り上げられているのは米国と中国だが、たとえば、古市憲寿の意見とかを聞く限りでは、日本では「不満」ではなく「諦め」に向かいやすいのかもしれない。また、中国の事例は顕著だが、格差の拡大は都市部で起きている。貧富だけではなく、都市と農村、そしてブータンのようなお金と異なる幸福の価値観、そういった複合的な視点から見ないと、この問題を切り崩すのは難しいのではないか。
薬剤効かぬ外注 なぜ誕生?/分解力ある菌取り込みも(15面:サイエンス)
同じ殺虫剤を使い続けると薬が効かない害虫が現れる。なぜか?
- 従来の常識:(どの虫も)自身の遺伝子が変異して薬剤耐性が備わる
- 最近の発見:殺虫剤の分解菌を体内に取り込むことによって抵抗性を示すようになる虫もいる
読書
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「つながり」「つながり」と言われ過ぎているこの頃、「ネット社会の進行に警鐘を鳴らす」作品ということで気になる。
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