人生は1冊のノートにまとめなさい―体験を自分化する「100円ノート」ライフログ
- 作者: 奥野宣之
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2010/11/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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書店には、10月末あたりから手帳が並び出しており、この時期になってやっと気になって見たりする。
しかし、自分はあまり手帳をうまく使えた試しがない。続かないのもわかっているので、もはやほとんど気にならないのだが、しばらく沢山書いたかと思えば、その後、真っ白なページが続いたりする。
そもそも、予定のメモには会社で使っているサイボウズかGoogleカレンダーで済んでしまうので、細かい予定を手帳に書き込むことをしようとは思っていない。つまり、あったことや感じたことを記録するライフログ的なものを残したいと考えているのだ。
勿論ツイッターやFacebookをライフログ的に使っている人もいるのだが、ええかっこしーの自分には、とても他の人に自分の姿を曝け出せるわけはなく、やはり手帳しかないのでは…という結論になる。
必然的に、年に一回はこの種の本を読むことになるのだ。2013年の手帳を購入する直前だからタイミング的にバッチリだ。
著者の第一作は、以前に読んだことがあり、納得して読んだ気がする。
今回その続編を読んで改めて思ったことは、この人のようにはできない、ということ。
マメに記録を取ることもそうだし、ノート一冊が終わるたびに索引を残したり、ノート一冊と言いながら、読んだ本リストは、専用シートをパソコンで作成して用意するなど、ずぼらな自分とは性格が違い過ぎる。しかし、この人の主張する行動を記録することの効果(以下のような言葉で語られる効果)には、やはり納得せざるを得ない。
- 書いてみることで「しっかりやっている自分」を認める
- 体験をリサイクルし、今の自分に活かす
- 「いい過去」=「自分の歴史」を持っておく安心感
フランクル『夜と霧』から、絶望する仲間を励ます言葉を引用している部分がある。
わたしたちが過去の充実した生活のなか、豊かな経験のなかで実現し、心の宝物にしていることは、なにもだれも奪えないのだ p169
何かに絶望しそうになったときに、過去の自分に慰められ、励まされる場面があるかもしれない。それがあやふやな記憶ではなく、具体的な言葉で思い起こされるものであれば、より強く生きることができるかもしれない。そんなことまで考えさせられる。
この本では、そういったライフログのメリットを羅列するだけでなく、ちゃんと「なぜ続かないか」というところも意識しながら書かれている。特に、強調されているのが「読み返し」が重要だということ。
著者のライフログは相当な分量であり、この本に書かれていることは、自分が目指すものとは少し異なるが、それでも「使えるな」と思ったのは
- 色々なものを貼る(本の帯)、観光地のスタンプを押す
- 内省や心情吐露は避け、周囲のことを中心に書く p182
- 蛍光ペンなどでマーキングしながら読み返す p192
といったあたりだろうか。
習慣付けの部分になるから、自分なりに色々と工夫しないとうまく行かないだろう。
この本は、いわゆるライフハックというか自己啓発書の類になるが、あくまで著者のやり方を頑固に推し進める感じが好きだ。自分と合う部分を上手く使って、まずは2012年の手帳の残りを使い切り、2013年は自分の成長を感じ取れるような年にしたい。
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