Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

日経新聞1/20(日)

アルジェリアという国ついての知識は、これまで、サッカーのジダンアルジェリア移民の2世だということくらいだった。アフリカは馴染みのない国が多いが、もっと知っておきたい。

官邸ご意見番 七人衆 内閣官房参与(4面・永田町インサイド

戦う諮問会議、復活? 経済財政の司令塔、役割いかに 社会保障費、踏み込めるか(11面・日曜に考える)

安倍晋三首相が助言役として任命した7人の内閣官房参与が動き出した。経済や外交、司法など各分野に精通した専門家をそろえており、霞が関の常識にとらわれない「知恵袋」の役回りを担う。参与の顔ぶれからは、不本意な退陣を余儀なくされた第1次安倍内閣の雪辱を果たしたい首相の強い思いが浮かび上がる。

安倍政権が経済財政運営の司令塔と位置付ける経済財政諮問会議が3年半ぶりに再開した。かつて小泉政権で強力な官邸主導を演出した舞台装置の復活に期待が寄せられる。ただ今回は過去の諮問会議とは異なる部分も多く、安倍政権での位置付けは曖昧な印象をぬぐえない。諮問会議はどんな役回りを演じるのか。

首相生活は、「孤独」で「情報過疎」ゆえに「官僚に洗脳される」こともあるという。それを防ぐ役回りの意味もあるのが「内閣官房参与」。
小泉政権時代は、抵抗勢力(各省庁)と戦う諮問会議、のイメージが強かった「経済財政諮問会議」。かつてのように戦うべき抵抗勢力が明確でないという問題もあるが、内閣府設置法に裏打ちされた法定会議であるという重みがあり、法的な裏づけがなく何も出来なかった「国家戦略会議」とは大きく異なるという。
これらの記事を読むと、「官僚の言いなり」や「首相の思い込み」による失敗を防ぐようにできているように思うが、結局のところすべては安倍首相次第というのが実際のようだ。現在のアベノミクスは、これらの仕組みが上手く行っているのかもしれない。

暖冬予報なのに寒い冬 なぜ?(15面・ナゾ謎かがく)

暖冬予報が出ていたのはエルニーニョ現象が卓越すると考えられていたためだが、温暖化の影響で不発。これは経年的な傾向で、近年は寒冬傾向になるラニーニャ現象が目立つ。
気象庁がもう一つの原因として挙げるのはインド洋の高温。以下の流れ。

  • インド洋付近での上昇気流が強まる
  • ⇒インド〜東南アジア上空で高気圧が発達
  • ⇒上空の偏西風の蛇行を生む
  • ⇒寒気を運ぶ北西から南東に向けての流れが日本で生じる

さらに、北極海の氷の変化を一因に挙げる人もいる。これは氷が解けた冷たい水が広がることが大気の流れに影響しているという分析だ。今出ている日経サイエンスの特集記事と基本的に同内容なのだろうか。

北半球の冬の気候を大きく左右する振動現象として,北極振動(AO)や北大西洋振動(NAO)が知られている。いずれも特定の地域の冬の大気の異常の度合いを示し,AOやNAOの指数が負の値を取ると,北極の冷たい空気が中緯度地方に流れ出しやすくなり,寒い冬となる。
 北極で夏の海氷が少なくなると,大気の状態はこのようなパターンを取りやすい。北極海の夏の海氷面積は,2012年9月には340万平方kmと観測が始まって以来最小となった。北極域で進む急速な温暖化が,厳しい冬をもたらすという逆説的な現象は今後も繰り返される可能性が高い。

なお、フィードバック効果によって気候変動が加速するという特集の載った日経サイエンスは、書店で買いかけたが、1400円という価格に驚き戻してしまった…。(ニュートンはもう少し安いはず)

日経サイエンス2013年2月号

日経サイエンス2013年2月号

読書

ファスト&スロー (上): あなたの意思はどのように決まるか?

ファスト&スロー (上): あなたの意思はどのように決まるか?

本書は、読みやすさと有用性だけに着目すれば自己啓発本のようにも見えるが、その深さと視野の広さは巷の自己啓発本にはないものである。(略)
直感的な思考と論理的な思考の連携を鍛えて、よりよい意思決定を目指す私人も、経済対福祉、農業対製造業といった二項対立ではなく、よりよい公共政策を探る公人も等しく読むべき一冊である。

松井彰彦・東大教授推薦の「この一冊」。ノーベル経済学賞(2002)受賞の心理学者の著書で、結構話題になっているので、読んでみたい。


証言 班目春樹―原子力安全委員会は何を間違えたのか?

証言 班目春樹―原子力安全委員会は何を間違えたのか?

事件と登場人物は同じでも視点が違えばドラマは異なる陰影で浮かび上がる。官邸はあたかも「藪の中」のようだ。

ちょうど、先日『原発危機 官邸からの証言』を読んだばかりで、類書を何冊か読んでみたくはある。この書評内でも斑目さんは「自己弁護や言い訳がましい記述が多い」と評されているが、Amazon評もそんな感じだし、『官邸からの〜』の著者・福山哲郎による評価も、当時よくテレビで見た斑目さんの印象も同じなので、「そういう人」なのかもしれない。しかし、ほとんど姿が見えなかった保安院と比べると、この人はよくテレビに出ていて存在感があり、そういう意味では責任感のある人にも見える。

原発危機 官邸からの証言 (ちくま新書)

原発危機 官邸からの証言 (ちくま新書)


月: 人との豊かなかかわりの歴史

月: 人との豊かなかかわりの歴史

月をめぐる雑学や民間伝承の宝庫で、「百科事典の楽しみに満ちている」と書かれている。M・ニコルソンの『月世界への旅』、松岡正剛『ルナティクス』とともに、博識と洞察に驚かされる月の博物学の名作とのこと。狂気のという意味で使われるルナティックと同様、日本語の月も「憑き」から来ているというのは、これまで意識しなかった。


僕たちの前途

僕たちの前途

希望の言葉は残しつつも、苦い読後感が残る内容となっている、と書き、結語を「著者のように能力と人脈に恵まれた人だけが、社会学者としてありうる時代なのかもしれない。そう考えてくると、評者の前途は多難だ。」とまとめる評者の難波功士さんの著書を読みたくなった。