対面信仰 医療・教育縛る(1面 特集「成長戦略の忘れ物」3)
記事で問題にされているのは「対面なら安心だけど、ネットなら危険」という信仰。
問題となっている事例は3つ。
一つ目は一般用医薬品のネット販売の解禁問題。
二つ目は岩手県遠野市で行われている遠隔医療の事例。ネットで東京の医師にアドバイスを受けて予防の効果は出ているが、薬を処方するなどの「診療」はできない。
三つ目は長崎県対馬市の高校で行われている遠隔授業。遠隔授業は大学ではOKだが高校では原則禁止だが、教室で別の教師が立ち会うかたちで、「対面授業」という体裁を整えているという。
3つの例を見ると、指摘されているような「対面信仰」は、やはり馬鹿馬鹿しいし、過疎地の問題解決に対してネットの良い面を活かさない、悪いやり方だ。
一方で、ネットにすれば全てが良くなるわけではない。ちょうど2面にはネット選挙が「不発」に終わった件について記事があったが、動いた上で問題点を洗い出し、改善していくという方法しかないように思う。
シリア化学兵器廃棄/ロシア主導の合意/譲歩の米、威信失墜(2面)
オバマの威信失墜、米国の国際的な影響力の低下の部分に焦点が当てられるシリアの件。
ロシアから見ると、「外交的勝利」ということ以外に、シリアの混乱が来年二月の冬季五輪開催地ソチに近くイスラム過激派が活動するロシア南西部に飛び火する可能性を恐れた面があるという。
「貧者の核兵器」と呼ばれる化学兵器は、条約で開発・保有が禁止されているが、ある種の兵器が禁止されているということは、ある種の兵器は認められているということ。ここら辺の線引きはいつも不思議に思ってしまう。
イプシロン打ち上げ/宇宙産業 海外開拓へ(7面)
ロケットの競争力を左右する要素としてコストが挙げられている。
- イプシロン初号機は53億円、2号機以降は38億円、量産に入る17年以降は30億円以下
- 欧州アリアンスペースのベガは40億円強
- インドのPSLVは25億円弱
- ロシアのドイエプルは10億円強
記事では、打ち上げ能力(衛星の重量)について、比較が記載されていなかったが、そこら辺は大きく変わらないのかな。宇宙ビジネスが強い国というのは、何よりも日本のイメージアップに繋がると思う。期待しています。
黒潮大蛇行が気象変える(15面・サイエンス)
黒潮の南側には海面から推進数百メートルまで、北川に比べ水温が5度以上高い領域が帯状に広がる。黒潮付近では上昇気流が起き、大気の不安定な状態が持続しやすい、というのが黒潮の経路の変化が気象に影響する理由。具体的には以下のような変化。
毒キノコ 見分け方・俗説に注意(14面・健康)
とにかくむやみに採ってきて食べてはダメ。どんな調理をしてもダメ。という主旨。
自分は採ってきたキノコを食べることはほとんどないので問題ないと思うが、カエンタケは気になった。
- 派手な朱色でイソギンチャクの触手のような形。
- 小指の先ほどの量を食べただけで死ぬ。
- 触ると皮膚がただれる。
- 見つけたら火箸で取り上げ、袋に入れて焼却処分すべき。
というカエンタケ。万が一出会ったときに珍しがって触る、というのは十分起こりうる。何にしても、むやみやたらに触ったりするのもダメということ。
トリチウムの濃度さらに上昇(30面・社会面)
今日の日経は汚染水問題について取り上げているのは、この記事だけかも。あまりに小さいので驚いたが、事態は深刻だ。一方で、トリチウムというのが何なのかよく分かっていない。一週間前のサイエンス欄に特集記事があったが、そこから抜粋すれば…。
- トリチウム水の処理設備は、廃炉になった新型転換炉「ふげん」などに、既にある。
- しかし、トリチウムの除去は時間とコストを考えると非現実的。
- 通常の原発でもトリチウムを含む排水は海に出てしまう。日本原燃の再処理工場で上限にしている基準を準用すれば、汚染水に含まれるトリチウム(500テラベクレル)は全量を約10日で放出可能。
- 生物に与える影響は、基準以下であれば科学的に影響は認められない。
- 日本原子力学会は「処理後のトリチウム水を海洋に放出すべきだ」と提言。
- 原子力規制委員会の田中俊一委員長も海外向け記者会見で「稀釈なりをして放出することになると思う。高濃度の汚染水を大量にためておく方がリスクが大きい」と述べている。
事故から2年以上が過ぎ、これから本格的に漁業を再開しようと考えている漁業者の方を説得するのは難しいだろうが、それこそ、安倍政権が直接お願いしに行くべき問題なのかも知れない。
→参考:トリチウム流出の影響 福島第一の地下水 08.10.2013(市民のための環境学ガイド)
読書欄
- 作者: ジョージ・ルーカス(序文),セドリック・デルソー,関根光宏
- 出版社/メーカー: エクスナレッジ
- 発売日: 2013/09/13
- メディア: 大型本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
- 作者: アイシェ・ヨナル,安東建
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2013/08/09
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (3件) を見る
この本は、トルコで「名誉の殺人」を犯して服役している男たちへのインタビューなどの緻密な取材を重ねて、閉鎖的社会が生みだす不幸について明らかにしたもの。殺される女性たちの中には、不幸にして強姦された女性や噂だけで殺人に繋がる人もいる。うーん、読むのが怖い。
支倉常長遣欧使節 もうひとつの遺産―その旅路と日本姓スペイン人たち
- 作者: 太田尚樹
- 出版社/メーカー: 山川出版社
- 発売日: 2013/08/01
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- 作者: 太田尚樹
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/01
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (3件) を見る