ギリシャの連立協議不調のニュースが一面ほか。再選挙やユーロ離脱など、予断を許さない状況。
「幻の原発」観光地に/フィリピン未稼働で28年/炉内ツアーも 電力再考の場(30面:社会面)
28年前の完成以来、政治に翻弄されて稼働することのなかったバターン原発が、国内外からの「原発ツーリズム」の参加者でにぎわっているという記事。
どこまで科学的かは別としても安全性についての意見が大きく割れる原発は、結局、民主主義にそぐわないという気がしてきた。廃炉まで40〜50年しか持たない割に、最終処理は延々と先延ばしみたいな技術は、どうやったって発電所も最終処分場も決まらない。日本の中間貯蔵施設の問題も今後どうなるのか。(勿論決めていかなければならない問題だし、一方で、手を出してしまったからには、安全管理のために全力を尽くすべき。単純に「脱原発」と言って投げだせる話ではないと思う。)
コンビニ輸出アジア軸に/現地企業と提携強化(11面:日曜に考える)
大手コンビニエンスストアの海外店舗数が2012年度に5万を超え、中小を含む国内の総店舗数を逆転する見込みとなった。海外で事業展開するセブン―イレブン・ジャパンやローソン、ファミリーマート、ミニストップの店舗増加数が最大約6300店と国内計画を大きく上回るためだ。
経済成長に伴う中間層の膨張と、コンビニの主要顧客である若年層の分厚さがポイント。また、コンビニは、米「サークルK」くらいで外資の競争相手が少ない。
課題は、
- 外資による出資規制や当局の許認可をクリアするために現地企業との提携が必要
- 商品調達などの体制整備も当然必要
- 地域性にあった商品の開発、店員の教育、物流の効率化に時間がかかる
ということで、収益性ではやはり国内。国内では社会構造の変化(高齢者や共働きの主婦の増加)から「遠くのスーパーよりも近くのコンビニ」というニーズが高まると予測。
コンビニは日常的に好んでよく利用しているが、以前Digでやっていたセブンイレブンの特集を聞いて、さらに興味を持った。いわゆるガラパゴス的にというか、日本独自で発達した文化で面白い。海外旅行ではスーパーによることはあったが、コンビニは行ったことが無かったかもしれないので、次に行く機会があれば積極的に入ってみたい。
「孤独死」をどう防ぐか/地域での絆づくりを(19面:今を読み解く)
特定非営利活動法人孤独死ゼロ研究会理事長の中沢卓実氏による孤独死関連本の紹介。
3冊の本が紹介されているが、「血縁」「地縁」「社縁」が崩壊する「無縁社会」化という質的な側面と、そのおおもとになっている人口構造の変化という避け難い側面の両面があると言える。ドラッカーも指摘するように、後者は誰もが予測できるのに見ようとしないものだ。
「人口構造の変化が実りあるイノベーションの機会となるのは、既存の企業や社会的機関の多くが、それを無視するからである。人口構造の変化は起こらないもの、あるいは急速には起こらないものとの仮定にしがみついているからである」(『イノベーションと起業家精神』)
孤独死の予防のために、中沢氏のNPOでは地域での絆づくりに取り組んでいるという。
人と人とがあいさつしあうなどして再びつながる。孤独死の解決策は至ってシンプルなところにあるのだ。
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読書欄
「半歩遅れの読書術」のコーナーで佐藤賢一さんが、小五と小一の子どもと「親子で楽しむ本」を模索中ということで、まずはシャーロック・ホームズで実験中という話が載っている。我が家では、最近やっとよう太が少年探偵団シリーズを読むようになった。が、佐藤さんが「親子で楽しむ本」を、あくまで古典に求めようとするのはどうかなと思う。ゾロリなり、パスワードシリーズなり、ハリー・ポッターなり、親が子どもに歩み寄る姿勢も重要だ。ということで、なかなか読み終わらないが、ハリー・ポッターを読書中。
- 作者: J.K.ローリング,J.K.Rowling,松岡佑子
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その他、興味を惹かれた本は以下。
「夢見る環境保護主義者」と「地球の実態を見ようとしない現実逃避者」の主張をそれぞれ論破しつつ、中立的で現実的な解を提案しようとする野心的な本。ポール・コリアーは『最底辺の10億人』の人ですね。↓
- 作者: ポール・コリアー,村井章子
- 出版社/メーカー: みすず書房
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翻訳をした村上春樹があとがきで「何より意外感に満ちている」と語る小説。初めの30頁ほどが過ぎたところで表れる最初の意外な展開には、多くの読者があっと驚くとのこと。これに加えて評者の井上一馬氏は「世界が破壊されたあとを描く近未来小説」として高く評価している。これは面白いかも。↓
- 作者: マーセル・セロー,村上春樹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
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「あとがきのあと」という自著の紹介コーナーで扱われた本。福島の原発事故で取り残されたペットの保護に関する本。森絵都さんというと児童小説のイメージがあったが、どのような内容になっているのか気になる。↓
おいで、一緒に行こう―福島原発20キロ圏内のペットレスキュー
- 作者: 森絵都
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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