Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

原作の面白さを再確認〜俵万智・斎藤隆夫『かえるの竹取物語』

これも俵万智さんが現代語訳で携わっている本。
竹取物語は、中高の古文の時間に触れただけで、物語として最初から最後まで通して読んだことがなかったかもしれない。つい先日アカデミー賞候補となった映画『かぐや姫の物語』も気になるがまだ見ていない。
このように、あまり細かなストーリーを知らない中で、通して読んでみると細かい部分で興味を引く部分が多く、楽しい。
特に、かぐや姫がたった「100日」で大人になったにもかかわらず、求婚されてから「3年」待つという時間感覚の変な部分。翁が黄金の詰まった竹を見つけて大富豪になり、大人になったかぐや姫のお披露目パーティーに大勢の人を呼ぶという俗物的な部分。月に行く前にかぐや姫が地球の記憶・心をなくしてしまう部分が印象的だった。
なお、まさに「俵万智の出番」となる、かぐや姫が和歌を詠むシーンは一場面のみ。原作では、15首の和歌が出てくる*1ということで、色々な部分を掘り下げて楽しめる作品なのだなと思い直した。


画面上に書き込まれた人物(かえる)の多い“見開き横長”の絵は、まさに絵巻物を連想させる。特に、月の使者からかぐや姫を守るために、みかどが翁の屋敷に二千人もの兵士を配置した部分は大迫力。
色使いも綺麗で持っておきたい絵本。同じ斎藤隆夫さんがイラストを担当した『かえるの平家ものがたり』も読んでみたい。

かえるの平家ものがたり (日本傑作絵本シリーズ)

かえるの平家ものがたり (日本傑作絵本シリーズ)


絵本で平家物語といえば…。あと、動物を主人公にした合戦絵本ということで、こちらにも食指が動く。

祇園精舎 (声にだすことばえほん)

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決戦! どうぶつ関ヶ原 (講談社の創作絵本)

決戦! どうぶつ関ヶ原 (講談社の創作絵本)


かぐや姫の物語』は文庫本も出ているということで、アニメを見てから本でも楽しみたい。

*1:参考⇒竹取物語にでてくる和歌は何首あるのでしょうか? - Yahoo!知恵袋