Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

週休二日制と叱る権利

GWには、岐阜から育児手伝いのために義母が来仙したが、現在も小学校の教師をしているので、今の小学校の様子をいろいろと聞いた。苦労話が多かったが、制度(システム)上のやりくりである程度解決可能な問題があるようだ。是非、文部科学省の方*1に申し上げたいと言っていたのは、以下の2点。

  • 週休一日に戻して欲しい。
  • 教師に「叱る権利」を与えて欲しい

前者についてですが、結局週休二日制というのは、生徒にとっても、教師にとっても負担の重い制度だということです。
まず、生徒にとっては、週休二日でもカリキュラムが大幅減少するわけではないため、登校日は6時間とか7時間の授業をこなす必要があります。土曜日は、お金持ちは塾*2に行き、裕福でない子は、することが無いから悪の道に走る、というパターンが多いということです。今の世の中、土曜出勤していて子供の相手ができない親の数も多いことは容易に推測できるし、片親であれば、なおのことそうでしょう。
次に、教師にとっては授業以外の業務が、夕方遅くから開始して、さらに今まで土曜日にやっていた仕事も平日に回るということで、平日業務の負担がかなり重くなったそうです。さらに、教師同士のちょっとしたコミュニケーションの機会(例えば、町に出てお茶)として丁度良かった土曜日午後の時間がなくなったことも大きいそうです。
「悪の道」にはまる生徒についてですが、小学生でも喫煙が問題になっているということでした。今朝、たまたま見た中学生日記の再放送*3でも高校生の覚せい剤の話題が取り上げられていて、しかもかなり後味の悪いバッドエンド(施設を出て社会復帰した兄は高校時代からの恋人と結婚へ。しかし式当日、トイレで会った兄が落とした白い粉の入った袋は・・・というシーンで終わる)だったので、深刻な問題になっているのでしょう。なお、番組で引用された調査によると、薬物乱用者は中学生時代に始めた人が大半とのこと。

もうひとつの「叱る権利」についてですが、現在は、昔と比べて「先生」が非常に肩身の狭い職業になっているという話です。具体的には、ちょっとしたことで怒る時に、例えば「宇宙人」と言ったとすると、(言った相手によっては)教育委員会や議員、マスコミに情報が回ることがある。しかも、当人への確認なしに翌日に記事になったことが、実際身の回りの先生仲間にあったそうです。そうすると、教師の側は腫れ物に触るように生徒に接しないといけない状態になり、結局生徒を甘やかすことになってしまう。ベテラン教師はうまくやれても、若い先生にはきついのでしょう。*4ただし、教師の側に問題があるケースもあり、一概にはいえないのですが。
上に挙げた問題点は、(週休二日制の問題は特に)霞ヶ関で決めたこと、という側面が大きく、霞ヶ関が現場を向いていない典型的な例だと思う。僕は官僚批判をしたいわけではないけど、自分が小学校時代だった頃と比べてよくなったとは思えず、自分の息子のこれからも心配。駄目な制度は元に戻せばいい。

逆リンク中学生日記覚醒剤
easy writing(http://d.hatena.ne.jp/atnb/20040829#p2

*1:この人が副大臣をやっていた省。http://www.asahi.com/national/update/0520/028.html

*2:今は小学校から塾にいく子供が多いと言います。多分円周率の小数点以下と台形の面積の公式を教えてもらうのだと思う。

*3:「さらば、兄よ」http://tv.starcat.co.jp/channel/tvprogram/0442200405171900.html

*4:小学4年生にボコボコにされて入院した同僚がいるという話です。