Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

福原直樹『黒いスイス』★★★

黒いスイス (新潮新書)
帯の文句"「美しい理想の国」のウソを暴く!"の通りの目からウロコ本。
amazonのカスタマーレビューが読みたいと思わせる文章だったので、買ってみた。読みやすかったし興味深い内容だった。しかも筆者自身の取材が多く、新書としてはかなりの労力をさいて作られた本なのではないか?
しかし、僕の中での点数は低い。結局は、自分の中の問題意識とリンクしないと、本というのは「読んだ」気にならないのかもしれない。スイスについての予備知識があまりない僕のような人が読んでも、「へぇー」レベルで終わってしまう本だ。導入部と結びに、日本との比較文化論みたいなものを挟む方が読みやすかった。知らない国の話なので、好奇心が持続しない。
ただし、つまらない内容ではなかったし、読んだことによってスイスへの興味もわいた。曾我さんとジェンキンス氏との再会場所として、当初スイスの名前が挙がったようだが、『黒いスイス』読後では、再会場所には最もふさわしくない国のひとつであるように感じる。
また、「スイス国民投票、年金改革・増税案を大差で否決」というニュース直接民主主義という特異性が現れている。スイスの制度についての説明とリンクはこちらの頁が詳しそうなので、今度見てみよう。
こういった基礎知識についてもう少し知ってから読めば面白い本なのかもしれない。