Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

さすがに一冊ではわからない~関眞興『一冊でわかるドイツ史』

まずは読んだ自分を誉めたい。1月初めに今年は歴史を勉強するぞ!と宣言したその気持ちは続いていることを自分のことながらも改めて認識しました。
とはいえ、とても字が大きくて読みやすい本なので、読もうと言えばすぐ。でも「一冊でわかる」と言われると、さて自分は何を「わかった」のか?という疑問符で頭の中はいっぱいになるわけです。


ということで、まず、今回勉強してわかったことを羅列します。

  • 前身だった神聖ローマ帝国は1806年にナポレオンによって滅ぼされてしまった。これを読むと、ナポレオンは相当に強いんだな…。
  • オーストリアはドイツ人の国であり、ドイツ連邦(1815年-1866年)時代はその中に含まれたが、普墺戦争(1866)で袂を分かつ。その後オーストリア=ハンガリー二重帝国を経て、オーストリア共和国。1938年にヒトラーによりドイツに併合された。普墺戦争の普はプロイセン王国
  • 1871年に「ドイツ統一」が成し遂げられ、ドイツ帝国が成立。プロイセン王ヴィルヘルム二世が初代皇帝に。東西ドイツの統一以外に「ドイツ統一」があるのは知らなかった。
  • 四面楚歌という言葉があるが、一次大戦時も二次大戦時も随分たくさんの敵を周囲に戦っていた国ということに驚き。特に1914年。東のロシアと西のフランスを同時に相手しつつ、イギリスに攻められ、アジア・太平洋では日本を相手に闘い、その後イタリアも敵となり、さらにアフリカ植民地でも戦う中で、アメリカも参戦。これでよく国が残ってるなと感心。
  • 1918年にドイツ革命というのがあり、これによりドイツ帝国が無くなり、第一次世界大戦が終わった。その後にできたのがドイツ国(1919-1945)で、ワイマール共和国と呼ばれる。ロシア革命は習ったけど、ドイツ革命というのもあるのか…
  • 1967年にECが成立した契機は、1962年に仏大統領ド・ゴールが西ドイツを訪れ、「歴史的な和解」が実現したこと。確かにこの二国は常に戦争してきたということを読んだばかりなので納得。


さて、少し20世紀は復習したおかげもあって少しわかった気がするが、ナポレオンや神聖ローマ帝国の時代はやっぱり理解しづらい。
今後の勉強のために何が理解しづらい理解したいポイントを書く。

  • ドイツとプロイセンの関係がとても分かりづらい。オーストリアも含めると近い国の話なはずなのにかなり混乱する。ましてや神聖ローマ帝国ハプスブルク家の話は地理的な位置関係のイメージのしにくさもあり大混乱。本としては、頻繁に地図が入ったものを読まないとわからないか。
  • フランスとドイツが歴史的に仲が悪いことはわかった。でも何故?が分からなかった。もっと二国に絞ったものの方がいいのかも。
  • さらに、もともと興味のあった、ドイツとロシアの間にあるいわゆる東欧諸国についても結局ぼんやりしたままだった。これもやっぱり周辺地図と同盟関係が常にわかるような本がいいかも。
  • なお、フランス革命やナポレオンあたりの基本的な知識がなさすぎる。恥ずかしながら『ベルサイユのばら』を未履修なので、次はこれなのか。


本の冒頭にも書かれているが、比較されたりすることも多く、勝手に親近感を抱いている国(少なくともEUの国の中では親近感を抱く上位の国)ですが、100年前に「革命」が起きていたり、ナチス支配の二次大戦時だけでなく、一次大戦でも周囲に多く敵を作っているなど、波乱万丈な国の歴史をたどっていることは理解しました。
それでありながら今EUで中心的な役割を担っているというのは、本当にすごいです。ASEANやTPP内での日本の立ち位置を考えるととても信じられない。
ただ、日本人は自虐的な見方で自国を眺めてしまうという人もいるので、世界の歴史と並行して日本の歴史も勉強していきたいですね。
次はこれかな。

ベルサイユのばら(1)

ベルサイユのばら(1)