- 作者: 羽海野チカ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/09/08
- メディア: ペーパーバック
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半月ほど前に、珍しく仙台地下鉄の中吊り広告*1で10巻発売を知り、そのまま本屋で購入した。
帰りの電車で読み出したのだが、久しぶりに号泣。
まあ、カバーがかかっていたから、万が一気づいた人がいたとしても、まさか漫画を読んで目を潤ませているとは思わなかっただろう。
〜〜〜
9巻の終わり方はかなり暗い内容で、『彼氏彼女の事情』が、暗い話になってからつまらなくなってしまったこともあり、実は、10巻以降の展開は不安視していた。
しかし読んでみれば大団円。これほどうまく終わらせるとはまったく思っていなかった。自分が読んできた漫画の中でもダントツにうまい。
10巻収録のchapter61〜64のうち、最終話chapter64まで来ても、「終わる感じ」がまったくしない。いつも通りのハチクロだ。しかし、竹本君の自転車シーンで目が潤み、電車シーンで涙の量が倍増し、ラストシーンで感動がピークに達する。*2さっき読んだけどまた泣いてしまった。この、自然な盛り上げ方はとても好きだ。
また、竹本君が典型だが、登場人物が皆けなげ。
それを嘘臭いという人もいるかもしれないが、自分は、こういう気持ちを持ち続けたい。
そして、やはり台詞がよい。
レトリックがうまいのではなく、気持ちが乗った台詞。ときには大げさだったりもするが、展開がうまいのか台詞が浮かない。地に足がついているというのだろうか。
もう、これは6つ星(★★★★★★)ですよ。*3
たった10巻(4000円)で、こんな感動が得られるなんて素晴らしいです。全ての人にオススメです。
追伸>ちょっと、自分突っ込みを。
「また泣いちゃったよ」と照れずに語る若者を見ていると、そうやって泣けるような状況に自分がいるということで、何かを確認しているのではないかとも思える。つまり自分はその他大勢としてぼんやり生きているわけではない、泣けるような特別なできごとを経験しながら生きている、ということだ。(略)今の若者は、自分喪失の危機から脱出するために「泣きの反応」を身につけた。ただ、その傾向は大人にも確実に広がっており、だれもが「泣ける物語」を求めて本を読み、映画を見るようになってきている。「泣かなければ自分が何者かもわからなくなってしまう」という危機感が、世の中全体に広がっているのだろうか。
香山リカ『若者の法則』
全面的に賛成するわけではないが、一理あるかもしれない。自省を。