Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

よしたに『ぼく、オタリーマン。』

ぼく、オタリーマン。

ぼく、オタリーマン。

絵がうまいし、頷ける部分も多いし、かなり満足できる漫画だった。
ただ、売り上げ的な成功要因でもあるだろう「オタリーマン」というタイトル*1は、本書の内容には合っていないように感じた。
というのは、「オタク」的な部分が希薄だから。
おそらく、そういう感想を持つ読者は多いはずだが、このとき「希薄である」と感じたオタク的な部分というのは、大きく以下の二つに分けられると思う。

  • オタク的な趣味の話が少ない。(『げんしけん』のキャラなら、常にエロゲーの話をしている)
  • オタク的なコンプレックスが少ない。(出てくるが、それほどDeepではない)

自分にとって大きいファクターは後者である。思い出すと、これを手に取った自分は『僕の小規模な失敗』のような「ダメ人間」話を期待していた節がある。
が、実際には、オタリーマンこと「よしたに」さんは、かなりのエリートビジネスマン*2のように見える。ダメ人間どころか品格すら感じる。
本書の読後に、本人のHP「ダンカン。」や「理系の人々」も流して見たが、仕事が忙しい忙しいと言いつつ、きっちりと副業もこなしてしまうさまには、憧れてしまう。
痴漢男(漫画)を読んだときも思ったが、漫画家を本職としている人は、戦々恐々としているのかもしれないなあ、と思ったり。

*1:今回の出版のために付けられた名前のようです。

*2:実際、どこかの頁で勤め先の会社名を見て納得した。