藤沢周平の短編も3つ目になるが、3つとも、それぞれに王道的な面白さを持っている。
「藤沢周平BOX」に以下の3枚の関係性の要素カードと、キャラクターカードを入れると、短編が出来上がる、みたいな、職人的な上手さを感じる。
しかし、それは既存パターンの組み合わせというよりは、究極的なものが「見えている」イメージ。その達観があるからこそ、最短距離でエンタテイメント小説の核心をつけるのだと思う。
本作品「孤立剣残月」は、「愛」群から、夫婦愛、少女愛、「憎」群から仇、理不尽、「コンプレックス」群から、年齢、体格を抜き出した感じだろうか。
これまでに読んだ3作は、いずれも、最後に「秘剣」が登場する。そのラストの「オチ」まで含めて、エンターテインメント性に富んでいる。
特に、この話は、泣けるラストが光る。
藤沢周平、もっと読むぞ。
なお収録短編集は「女難剣雷切り」と同様、以下の作品。
- 作者: 藤沢周平
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/06/01
- メディア: 文庫
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