ポスト京都についての話題が多かったが、それについては特に触れず。
文学談義−荒川洋治(36面、文化)
いまはあまり見かけない「文学談義」の思い出を独り言的に語る内容だったが、当人が本当に好きで書いていることが伝わり、楽しい文章。関連していくつかの文学作品が挙げられているが、特に国木田独歩「巡査」「山の力」には興味を持った。もしかして結構軽く読める作家なのだろうか?
あす「法の日」裁判員制度PR/最高裁判官先頭に(34面・社会:試される司法)
日弁連が『家裁の人』の毛利甚八さんにPR漫画を依頼したことに触れられている。
日弁連は漫画を通じて「制度が国民にとって利点が多いことを伝えたい」と意気込みをみせる
「利点が少ない」と思っている自分にとっては、是非読んでみたい漫画。
ただ、日弁連のHPを見ると、頒価100円(税込)ではあるが入手は面倒くさそう。店頭でふと見かけて買ってみる、というようなかたちにしないと、PRの意味がないのでは?
フランク・ヘッツィンク『知られざる宇宙』(23面・読書)
- 作者: フランクシェッツィング,Frank Sch¨atzing,鹿沼博史
- 出版社/メーカー: 大月書店
- 発売日: 2007/08/01
- メディア: 単行本
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- 本書はメルヴィルの『白鯨』に匹敵する海洋小説だ。
- 従来の判断基準でゆけば科学ノンフィクション物と言いたいところだ。
- 本書は科学の書というよりは、科学を語る書だ。その意味でポピュラーサイエンスの書である。しかも良質の。
生命・進化現象と海洋との関係について書かれた本で、ホーキングからクローン人間まで幅広く扱っている本のようだ。Amazonの「あわせて買う」オススメは、福岡伸一『生物と無生物のあいだ』ということで、ここら辺、もう少ししっかり読みたい。
ミャンマー デモ、散発的に/政府は「制圧」/国連特使、現地入り(1面)
何はなくとも、国連特使の名前に言及したいところだが、それを口にすることは、ただの「オヤジ」になってしまうので控えよう。
一応、ミャンマーについて、いつもの解説委員室ブログで勉強。
発端は、8月に軍事政権が予告なしに燃料の値上げを行ったことへの市民の反発でした。バスなどの運賃が、人によっては月収のほぼ3分の一を占めるまでに値上がりしたばかりでなく、運搬コストの高騰から野菜や油などの食料品の値段も軒並みあがり、すでに最貧国のひとつとなっているミャンマーの市民生活を直撃したからです。
しかし根底には、民主化が進まないことへの閉塞感がありました。1990年に行われた総選挙でアウン・サン・スー・チーさんが率いる政党が圧勝したにも関わらず、その後、18年近くにわたってなお、軍事政権が居座り続けている、こんなことではこの国は変わることができないのではないかという閉塞感です。
(略)
当局から疑いをかけられることを恐れ、一般の市民は特別な用事がない限り、その近くには行かないばかりか、日常会話の中ではスー・チーさんのことを「the lady」と呼び、スー・チーさんの名前をそのまま口にすることを控えるほどです。
隣国タイも軍事政権が統治しているし、同じアジアでも、かなり旧時代的なことがまかり通っているのだなあ、と思いを新たにした。
デモが収まってきたことで、国際圧力によって政権の姿勢を変えることは難しくなってきたようだが、国連特使のガンバリに期待したい。(あ、言ってしまった)