Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

ネタバレ感想〜映画『シン・ゴジラ』で驚いた8つの展開

8/1の映画の日に『シン・ゴジラ』を見てきた。
珍しく、早い段階で話題の映画を見てきたので、メモ程度に感想を書いておきたい。


庵野秀明だとか、エヴァンゲリオンだとか、色々と切り口はあるが、総評として、何より「驚けた」のはとても良かった。
映画も小説も音楽も「驚ける」ということは、自分が芸術作品全体にいつも求めていることだからだ。
以下、『シン・ゴジラ』で驚いた8つの展開について簡単にメモ。

(1)こ、これがゴジラ!!!

とにかく、ゴジラの第二形態(第一形態は尻尾で、アレは第二形態なんだとか…)を見た時の衝撃が大きかった。
横浜沖から東京湾を移動する際に、背びれを見せており、「ふむふむ。焦らして焦らしてゴジラ登場なのだな」と思って構えていると、あの第二形態の、「ニセ怪獣」っぽいフォルムを見て、頭が壊れてしまった。
これは自分の知っているゴジラじゃない。
それどころか、予告編で見たゴジラでもない。
あ、あれか、この怪獣をゴジラが倒す、という、そういうパターンか?
でも、背びれがゴジラという問題が…。


色々と考えました。

(2)多摩川!!

焦らしは、それだけではありません。最初、東京湾から多摩川に移動、という話が出て、多摩川に愛着のある自分としてはウキウキしていたのに、遡上した川は呑川
呑川、めちゃくちゃ小さいじゃないか。ちゃんと川幅のある多摩川を選べよ!
という願いも叶わず、呑川プレジャーボートを沿道に打ち上げながら、ニセゴジラは進む。
途中、立ち上がると、少しゴジラっぽくなっていて、おお!少しだけ本物っぽい!と思う。
そのあと、海に帰る。
行動が読めない…。


再び現れたゴジラは巨大になって、まさにシンのゴジラになっていた。
鎌倉に上陸し、都心に進む。
最終防衛線は、待ちに待った多摩川。ここで多摩川が来た。
しかも、ピエール瀧らが控えているのは、マラソンでも訪れることの多い浅間神社
やったー。

(3)石原さとみ

鎌倉上陸前に登場する石原さとみ
石原さとみアメリカ人役!
これは予想外だったが、英会話のAEONの広告に出るだけあって、綺麗な発音。
英語交じりの日本語を使うので、ルー大柴的であったかもしれないが、とてもいい役。
作中で、ゴジラの名前を初めて口にするのも彼女。

(4)ゴジラからの逃げ方シミュレーション

ゴジラ多摩川を超えて都内に入り、逃げ惑う都民を見ながら、見ている自分もどうやって逃げればいいのかをシミュレーションする。
いくら怖いと言ってもゴジラは遅いから、動きをよく見て背後に回ればあとは通り過ぎるのを待てばいいのでは?と考えた。
しかし、爆撃に抵抗するゴジラの「光線」は、予想以上に広範囲に及ぶ。
それでも、やはり、足元から後ろに回れば何とかなるに違いない…。


と思っていると、口からの吐瀉物&炎で道路沿いに周辺を焼き尽くし、画面の中を姑息に逃げようとしていた自分も燃えてしまった…。

(5)総理!!

大杉漣が演じる内閣総理大臣は、序盤、責任回避の姿勢からたびたび判断が遅れ、見ている側の苦笑を誘う。
しかし、事態が深刻化するにつれ、立派に育っていく。
総理、頑張れ!
ここは、官邸を捨てて、まずは立川まで退くんだ!


という願いも虚しく、ゴジラの光線により、総理の乗ったヘリコプターはスパッとやられてしまう。
折角ここまで育てたのに…。

(6)無人在来線爆弾

実は、ゴジラが東京駅で止まってしまったあとの展開は少し退屈だった。
物語的には、アメリカの核攻撃はギリギリに回避して凍結作戦が成功するのが分かっているからだ。
しかし、そんな中で、無人在来線爆弾という兵器アイデアには驚いた。
というか、名前に驚いた。
ゴジラは強すぎて、直接的なダメージを与えられない、それが分かっているから滑稽さもあるが、ここまでやる必要がある、という切羽詰まった感じが伝わってきた。
こういう、あり得ない映像、バカっぽい映像に説得力を与えられるというのはすごい。

(7)ラスト

で、結局、「ヤシオリ作戦」が成功し、ゴジラは、いつぞやのエヴァンゲリオンのように「完全に沈黙」という状態になる。
ヤシオリ作戦という名が、ヤマタノオロチを討つ際に用いられた「八塩折之酒(やしおりのさけ)」に由来するというのは、映画を見終わって知ったが、言い得て妙な名称。
さて、ラストのゴジラの尻尾のアップは、やはりギョッとする。
ゴジラが動き出せば核攻撃が行われるから、作中の人物たち、石原さとみ長谷川博己は安心出来ないのだが、観客としては「良かった良かった」で終わるはずのラスト。
あそこで安心させないのは、やはり正解だと思う。

(8)野村萬斎

さて、エンドロールで、総勢328名というキャストの名前が出てくるが、その中でも一番最後に出てくる名前が野村萬斎
自分は、主人公の矢口蘭堂役をやっている人は、名前を知らないけど「鈴木先生」の人でしょ、と思っていたが、このエンドロールを見て、まさか、自分が「鈴木先生」と思っていた人が野村萬斎なのか…と絶句する。
が、映画鑑賞後に、野村萬斎は、ゴジラの動きのもとをモーションキャプチャで撮影していたということを知り、そこでやっと安心できたのでした。

まとめ

なんやかんやで初めて見た日本の怪獣映画*1でしたが、とても面白かったです。
会議シーンに緊迫感があるのは、やはり東日本の震災を経ているからだと思いますが、震災や核との関連は、上手く語れる自信がないので、今回は省きました。
まとめると、とにかく第二形態のゴジラを見たときの衝撃に尽きるかなと。
色々と解説本、特に、島本和彦先生の夏コミ本がとても読んでみたい。そして、何と言っても1954年のゴジラですかね。

*1:ゴジラガメラも見ておらず、怪獣映画は唯一、『パシフィック・リム』を見たことがある程度。