Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

友情!ダンス!アクション!インド独立!~S・S・ラージャマウリ監督『RRR』

ワクチン接種後に観る映画探し

今日は東京都庁に4回目のワクチン接種に行ってきた。
飛び石連休の中日の平日を予約したのは、新宿でワクチン接種後、90分くらいの映画を観て、ついでに花園神社(酉の市)に行って帰ろうと思っていたからだった。が、ワクチン接種後の10時台でちょうど良い映画が無い。


第一候補として挙がった『線は、僕を描く』(106分)も『犯罪都市』(105分)も12時少し前の回で少し待つ。『アフターヤン』(96分)は新宿では上映が無い。逆に『パラレルマザーズ』(123分)は10時ちょうど開始で間に合わない。
ちょうど10時30分頃から上映があるのは『貞子DX』(99分)のみで、導かれるようにしてこれを観るという手もあったが、本当にこれを観たいのか…と自問。


本当に観たい映画は何かを考え抜いた結果、
調布に戻って昼を食べてからであれば、11時20分開始での映画はちょうど良いのでは?
「179分」の映画でも、この人気作品なら途中で副反応が出て辛くなっても耐えられるのでは?
と思い、『RRR』を選択した。

RRR

まず、2人の出会いの場面が最高だった。
冒頭、ビームとラーマが、それぞれのアクションの凄さを見せつつ、2人はデリーへ。
すれ違いが続いたあとで、出会うのかなと思っていたら、鉄橋での列車爆発事故に巻き込まれそうな少年を見つけた2人は、数百m離れた距離でのわずかなアイコンタクトのあと、信じられない救出劇を!

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これ以降、よく考えると、友情を育むシーン、ナートゥダンスのシーンはあったが、2人で協力するアクションシーンはもしかしてラストまで無いかもしれない。
だからこそ、救出劇と同様に2人がアイコンタクトのみで作戦を伝え合う最終盤のバトルシーンは胸が震えるほどの興奮。
しかも二人が敵同士として殴り合う対決場面や、それぞれが瀕死となる状況を挟んだあとだから尚更。
肩車で敵を蹴散らす脱走シーンを経て、ラーマが一気に「神様」*1化して、弓矢を使いだす流れは、まさに神話を見てるよう。ポスターにも使われている、ラーマがジャンプしながら弓矢を放つアクションや、予告編でも出てくるビームがバイクを片足で踏んで起こしてから武器として振り回すアクションのシーンは、反則級にカッコ良い。
さらに、ビームがバイクに、ラーマが馬に乗って敵本拠地を目指す場面は、まさに出会いの場面をなぞっていて、頭のなかで2人のこれまでを振り返り感涙。


そしてダンス。
ナートゥダンスのシーンは、上にも書いた通り、ラストシーンを除けば、2人で協力して敵を打破するシーンなので気持ちが良いし、圧倒的にダンスが面白い。格闘技的な動きも入っているし、コミカルな部分もある。本当に見ていて飽きない。
そして、ロケ地がウクライナ・キーウのマリア宮殿だというのも驚きだ。

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そしてエンドロールのダンスシーンも楽しい。こちらはシータ姫が2人と同じくらい踊るということもあり、ナートゥよりも通常のダンスっぽかったかもしれない。この中では、歌と合わせて、インド独立に関係する偉人の肖像画が出てくるのは興味深かった。(ガンディーが入っていないというのは驚き。)
シータは、前半は「ヒーローを待つ女性」という、伝統的価値観に基づいたキャラクターだったが、ラーマを探しに積極的に行動に出る終盤では、ビームを導く重要な役割を担う。だから最後のダンスでメインに躍り出るのも納得。一方、もう一人のヒロインであるジェニーは見た目が可愛いだけの存在に見えてしまったので、マッリ救出の手助けをする等の活躍シーンが欲しかった。


なお、主役2人を比べると、ビームがより優しそうで、体型も若干丸みを帯びている(山のフドウっぽい)*2のに対して、ラーマは、筋肉がバキバキで、美形(北斗の拳ならリュウガ?)。このラーマは、冒頭シーンでは、警察官の帽子を被っているのだが、そこに感じるゴールデンカムイっぽい雰囲気がたまらない。今日は「いい推し」の日だというが、自分はどちらかと言えばラーマ推しの気持ちで映画を観た。
だから、ラストのバトルで、髪を振り乱して「神様」のようになるラーマは、帽子姿とのギャップがカッコ良過ぎて万々歳だった。



ただ、この映画の中ではインドが独立したわけではなく「戦いはこれから」という状況で話は終わっている。二人の主人公は、ともにインド独立運動の英雄で実在した人物だという。
2人がどのような人物であったかも知りたいし、この状態からどのようにインドが独立していったのかも知りたいので、インドの歴史もしっかり勉強してみたい。

参考(過去日記)

自分のインドのイメージは、この本によるところが大きく、かなり悪いイメージ。それを払拭できる本を読みたい。
pocari.hatenablog.com


あ、これもインドの本でした。
pocari.hatenablog.com

*1:ラーマは、ラーマーヤナに登場するラーマ王子、ビームも「マハーバーラタ」の5兄弟の次男ビーマという2人の神様のイメージが重ねられているという。

*2:主演のNTR Jr.は、「進撃のインド人」の動画でも知られるというので、そちらの動画(別映画からの合成)を見たら、本作よりもカッコ良い方向の味付けだったので、共演者とのバランスを考えての性格付けなのだろう。進撃のインド人の動画は本人も知っているとのこと→「進撃のインド人」は本人に届いていた!? 『RRR』主演NTR Jr. 来日前独占インタビュー!相棒・ラーム・チャランとのシンクロ率100%ダンスの撮影秘話は必見!! | 映画 | BANGER!!!