Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

*塩野七生『ローマ人の物語5(ハンニバル戦記(下))』★★★☆

ローマ人の物語 (5) ― ハンニバル戦記(下) (新潮文庫)
スキピオハンニバルを中心に回ったローマ世界は一段落。ローマ帝国の版図は、カルタゴだけでなく、マケドニア、シリアなどのアジア(中東)にも伸びる。
ポエニ戦役の後、ローマ人は、その大きな特徴であった「穏やかな帝国主義」から「厳しい帝国主義*1に方針を転換し、どうも次の巻以降は混迷を深めることになるようだ。
ところで、本編とは関係ないところだが、ハンニバルスキピオとの比較でしばしば出てくるアレクサンダー大王は紀元前323年に33歳の若さでなくなったという。*2これには、かなり驚いた。33歳という年齢は、奇しくも先日の放送で切腹した新選組山南敬助*3の享年と同じだが、山南はまだわかるとしても、アレクサンダー大王は「大王」なのに33歳。何だか歴史上の人物にはとてつもない人が多いなあと思ってしまう。

ローマ人の物語』これまでの軌跡

*1:紀元前146年、ローマはギリシア第三の都市コリントを破壊。カルタゴも都市そのものを地上から抹殺するようなやり方で、破壊された。

*2:スキピオは享年52歳。ハンニバルは64歳。同じ紀元前183年に亡くなった。

*3:山南で辿ってくる人が多いので付け加えます。この回の放送は、芹沢鴨の最期の回に続く素晴らしい回でした。あからさまに泣かせる回ではありましたが、ジンとくるものがありました。