Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

「分析できないからこそ、重要なもの」

もっとも重要なことは、数字で分析できない深部にこそ、分析できない分析にこそ、もっとも重要な考察がなされなくてはならないということだと思う。

しばらく前から、久恒啓一の著作をよく読んでいる。仙台アエルで講演があるというので、先日、会社帰りに聞きに行ったが、説得力のあり、かつ親しみやすい話し振りで、また好きになった。
そのときは、主に講演の聞き手を行政に置いた「まちづくり」がテーマだったのだが、印象に残った言葉に「アンケートは、定量的なデータより、定性的なデータを重視するべき」というものがあった。
簡単にいえば、定量的なデータは、扱いやすく、グラフにすることで一仕事終えた気がするが、操作可能な部分も多く、結局は「答え」を押し付けるための「言い訳」にすぎないという。「顧客満足度」の高い仕事をするには、定性的な意見を分析することに力を注ぐべき、という話だった。
はじめに引用した増島みどりのコラムを読んで、そのことを思い出した。
それは、一見、「手法」の問題に見えるが、仕事をする人の「姿勢」の問題、「誠実さ」の問題なのかもしれない。自分の仕事もそういう目で見ていきたい。
なお、久恒啓一の場合、自分が読んだ中で、これは是非ともオススメしたい、というのは無くて、いい内容が小出しにされている感じなので、人には勧めにくいが、一応、オススメを挙げるとしたら、これか。