グスコーブドリの伝記―猫の事務所・どんぐりと山猫 (ますむら・ひろし賢治シリーズ)
- 作者: ますむらひろし,原作: 宮沢賢治
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 1995/07/01
- メディア: 文庫
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それに対して「グスコーブドリの伝記」は、童話形式ではあるものの、環境問題と農業についてとりあげた、「社会派」的な作品。ラストシーンは、「銀河鉄道の夜」の“さそりの火”の話を思い出す。
「猫の事務所」は、いじめられ猫・かま猫の話。上に挙げた『イーハトーブ乱入記』でも、ますむらひろしは、特別に感情移入するキャラクターとして、かま猫を挙げている。しかし、特にラストが顕著だが、つかみ所がない話なので、感想を述べるのは難しい。
3作品の中では、「どんぐりと山猫」だけが「人間」の登場する漫画。それ以外は、猫がメインの登場人物であるが、違和感は全く無い。ラストまで含めて、よくできた童話。単純に面白いと思えた。