Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

ますむらひろし『グスコーブドリの伝記/猫の事務所・どんぐりと山猫』

収録されている3作品中、「どんぐりと山猫」だけ読んだことがあった。ようたと一緒に書店に行った際に、絵本で読んだのかもしれない。そして、これが、一番、筋がわかりやすい童話。
それに対して「グスコーブドリの伝記」は、童話形式ではあるものの、環境問題と農業についてとりあげた、「社会派」的な作品。ラストシーンは、「銀河鉄道の夜」の“さそりの火”の話を思い出す。
「猫の事務所」は、いじめられ猫・かま猫の話。上に挙げた『イーハトーブ乱入記』でも、ますむらひろしは、特別に感情移入するキャラクターとして、かま猫を挙げている。しかし、特にラストが顕著だが、つかみ所がない話なので、感想を述べるのは難しい。
3作品の中では、「どんぐりと山猫」だけが「人間」の登場する漫画。それ以外は、猫がメインの登場人物であるが、違和感は全く無い。ラストまで含めて、よくできた童話。単純に面白いと思えた。