Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

宮沢賢治『風の又三郎』

以前取り上げた『銀河鉄道の夜』と同様、CDの朗読シリーズ。朗読は市原悦子
http://www.shinchosha.co.jp/book/830007/
賢治作品としては、『銀河鉄道の夜』しか知らないときに、これを聞いたので、軽い内容には、やや拍子抜けした。
始まり方、終わり方も、「転校生もの」として現代にも受け継がれている、よくあるパターンだったし、ストーリー展開という意味では、緊張感を強いられる部分は、ほとんどなく、気軽に内容を追える。
しかし、自然風景や、三郎たちの物事に対する感じ方など、ストーリーではない部分に、大きな魅力を持った作品だと思った。そして、それを、方言交じりで感情丸出しの子どもたちの会話を演ずる市原悦子の朗読が支えている。
これもまた、活字で読んだ場合には、よくわからずに通り過ぎてしまった本かもしれない。
自分みたいなせっかちには、朗読CDはとても「使える」メディアである。