Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

日経新聞7/22(日)

新興国、高まる労務リスク/格差拡大で争議多発/好調日本企業、標的に(1面)

スズキのインド子会社、マルチ・スズキの自動車工場で18日夜に発生した暴動は、日本企業が進出を急ぐ新興国での労務リスクを改めて浮き彫りにした。急速な経済成長を遂げるインドや中国などでは貧富の格差が広がり、賃上げを求める争議が多発している。現地で成功している日本企業ほど標的にされやすく、新たな対応が必要だ。
暴動が起きたのはスズキのマネサール工場(ハリヤナ州)。スズキによると18…

暴動の背景について以下のように書かれている。

  • 労働力は、いまや不足し、組合が強くなった
  • 成果重視の欧米企業に比べ、プロセス重視の日本企業は分かりにくい
  • 文化の違い(朝礼を労働時間に含まない等)が摩擦を生む場合あり

自動車や二輪車の9割超を日本ブランドが占めるインドネシアでもデモが発生しているということで、あまり状況を知らなかったが、労務リスクの問題は大きい。インドネシアは19面(今を読み解く)では、政治の安定化による経済発展について書かれていて、そちらの印象しかなかった。

H2B打ち上げ成功 大型衛星受注に弾み/宇宙事業拡大 コスト削減カギ

宇宙航空研究開発機構JAXA)と三菱重工業は21日、種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)で国産大型ロケットH2Bの打ち上げに成功した。来年度以降は三菱重工に移管される見通し。H2Aの2倍の打ち上げ能力を持つH2Bの移管で、大型の人工衛星の打ち上げ受注が可能となり、三菱重工にとって宇宙ビジネス拡大に向けて追い風となる…

3面(きょうのことば)に解説があるように、鉛筆みたいな名前のH2BロケットはH2Aを改良して造ったロケットで20階建てのビルほどの高さがあるという。今回のニュースは宇宙事業の拡大という視点からだが、ライバル機として挙げられている米国、ロシア、欧州のものとこれから競争していくとなると、もっとコスト縮減が必要だという。人工衛星の打ち上げで各国がしのぎを削るのはいいが、静止衛星軌道にも限界があるから、やはり事故等がどんどん増えてくるのだろうと思うと怖くなるところもある。さらに9面(日曜に考える)で触れらえていた「北極海の利用」をめぐる各国の動きを併せて見ると、やっぱり地球は狭くなってきているなあと思ってしまう。

運動・勉強伸びるコツは…すかさず仮眠/学習の記憶 脳に定着(科学)

早稲田大学の内田直教授の実験や国立精神・神経医療研究センターの栗山健一室長の話をもとに、勉強直後に仮眠をとることが記憶定着に役立つとする。しかし、最後に、仮眠の目安として「60分」を挙げているので、とたんにあまり意味のない助言になってくる。社会人はおろか、中高生なら、昼間に60分をまとめて眠る時間は取りにくい。少し前の、カルシウム・マグネシウム不足に、毎食大さじ5杯のゴマがいい、とする話に通じるものがある。

読書欄

夜の国のクーパー

夜の国のクーパー

池上冬樹伊坂幸太郎を純文学的なテーマをミステリー的な手法でスリリングに見せる作家と評する。今回の本は「戦争」をテーマにすえた話で、ミステリ的な展開については、この書評の中でややネタバレしている気がするが、ともに挙げられている、全体主義の危険性を捉えた『魔王』と読みたい。


空き家急増の真実―放置・倒壊・限界マンション化を防げ

空き家急増の真実―放置・倒壊・限界マンション化を防げ

飾らないタイトルが素晴らしい。現在日本にある住宅の8戸に1戸は空き家で、20年後には4戸に1戸に急増するという。新築住宅を抑制し、中古住宅を活用するような政策を求める内容のようだが、どう考えてもそうだろう。


冥王星を殺したのは私です

冥王星を殺したのは私です

打って変わって「ひきつける」タイトル。冥王星より大きな「エリス」という天体の発見が、冥王星を惑星から外してしまった。エリス発見者が語る「人間味あふれる」科学ノンフィクションとのこと。これもHONZで取り上げられていたな。