Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

読中感想 〜君に届け、スティール・ボール・ラン

ついに、禁断のマンガレンタルに手を出した。
しかし、家にスペースが無い/買ってしまうと手離せない/家にあると読んでしまう/一冊だと大したことないが、揃えようと思ってしまうと高額になる、などのこれまでの悩みを考えればメリットは大きい。漫画文化の継続に貢献できているかどうかは微妙な感じがするが、まずは何でも試してみよう。

椎名軽穂君に届け』(1)

君に届け 1 (マーガレットコミックス)

君に届け 1 (マーガレットコミックス)

はじめに、このマンガのタイトルを聞いたのは、2年くらい前の文化系トークラジオLifeで、雑誌『クイック・ジャパン』元編集長の森山裕之(同い年!)が何かの機会に絶賛していたときだっただろうか?
勿論、「このマンガがすごい!」みたいな特集でもよく取り上げられているので、非常に気になっていた。


一読した印象は、よく分からない。
懐かしいタイプの少女漫画なのだろうか?
内向的な女子高校生(黒沼爽子)のコミュニケーションの問題をテーマにしながら恋愛メインでストーリーを進めて行くのか?
相手役のクラスメイト(風早くん)が、あまりに漫画みたいなヒーロー像を地で行くのも気になるし、第一、漫画横の縦長スペースに「作者の身辺雑記」が挟まる、ザ・少女マンガ的なものも久しぶりに見たが、全体的に、これはパロディなのか?と思ってしまうほど。
まあ、これから面白くなるのでしょう。
9/25公開の映画キャスト(多部未華子三浦春馬)には、手も足も出ないほど納得。

荒木飛呂彦スティール・ボール・ラン』(1)〜(5)

スティール・ボール・ラン (1) ジャンプコミックス

スティール・ボール・ラン (1) ジャンプコミックス

ジョジョは、4部まではジャンプで見ていたが、5部、6部は全て文庫本になってから読んだ。よって、7部にあたる本作品も文庫本を待ちたいところだったが待ち切れなかった。

1890年、アメリカで世紀の大レース『SBRスティール・ボール・ラン)』が開催された。総距離約6,000km、人類史上初の乗馬による北米大陸横断レースである! 優勝賞金5千万ドル(60億円)をめざし、屈強な冒険者たちの戦いが今始まった!

本作の魅力は、やはりスタンドに頼り過ぎないストーリー。
むしろ、「波紋」にあたる「回転」に焦点があたり、ツェペリから技術を習得するところも含めて、第二部(ジョセフ・ジョースター)の構造と似ている。
才能が勝っていることが勝敗を決める傾向にある最近のマンガの流れから外れ、ゼロから修行することで能力を勝ち得る根性ものに久しぶりに戻ったのは大成功。


そして、週刊連載から月刊連載に替わったこともあり、ストーリー作りに余裕が感じられることも大きい。登場人物も多数登場させながら、5巻の段階では、これから詳細が語られるだろう人物も十二分に残している。6部まで含めて唯一連続出演(名前だけも含めて)のディオに至っては、登場はしているものの、どういう位置づけなのか全く見えない。


また、車や電話が普及していない時期の「北米大陸横断レース」が舞台であるという点もとてもいい。ショートカットや、走行妨害、懐かしキャラ(シュトロハイム、アブドゥル)や、自らの脚で馬と勝負するサンドマンなど、ドクタースランプのペンギングランプリを思い出す。
大会主催者スティーブン・スティールの冒頭の名言も刺激的だ。

失敗というのは・・・・・・・・・いいか よく聞け!
真の『失敗』とはッ!開拓の心を忘れ!
困難に挑戦する事に
無縁のところにいる者たちの事をいうのだッ!


だからこそ、3巻以降の「スタンド」重視へのシフトは頂けなかった。一気に6部までのジョジョの悪い所が出てしまった。マンネリを避けるためにスタンドを封じたのだと思ったのに・・・。とはいえ、まだジャイロ・ツェペリ「回転」の能力は、スタンドではなく技術ということになっているし、今回は、全体的にスタンドの出番は控えめになっているような気がするので、6巻以降、どちらに転ぶか楽しみ。


なお、4巻で初登場したジョニィ・ジョースターのスタンド「タスク」と、5巻で初登場した「大統領」の容姿がかなり意外!前者は、ジョジョ史上初の「ゆるキャラ」?