Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

『みにくいシュレック』

みにくいシュレック

みにくいシュレック

現在、完結編の映画が絶賛上映中の元の話(1作目の原作)。映画は見たことがなかったが、マクドナルドのハッピーセットで、ものすごくうるさくて可愛くなくて、すぐに捨てたいオマケももらったことだし、図書館で借りてみた。


絵本を読み聞かせるとき、あらかじめ内容を確認する場合と、そうでない場合がある。
『みにくいシュレック』は、確認せずに読み聞かせたのだが、予想以上にシンプルで、教訓が得にくい話だったので、最後まで行くと「え〜〜〜!!」と衝撃を受けた。
その衝撃が、子どもにも伝わったしく、その後、よう太に「みにくいシュレック、どういう話だったっけ?」と聞いても「あれは、ひどい話だったね。」と繰り返し答えていた。


大人目線で再度、読み直してみると、主人公シュレックは両親のもとを離れ、予言者の言葉に導かれ、ドラゴンを倒すなど数々の難関をくぐり抜け、最後に王女と結婚する話、にはなっている。確かに、オーソドックスな話のパロディ的なつくりなのだろう。
しかし驚いたのは、「みにくい者が一番。こわがられるのが心地よい」というシュレックの価値観が、ラストでそのまま受け流されること。王女がそれを受け入れるからこそのことだが、普通の話では、もうひとつ腑に落ちるような展開があるだろう(例えば、シュレックが王女に食べられる等)のに、何もない。
やっぱり、単純に、「絵が怖いね〜」「シュレック、何か嫌だよね〜」と怖がりながら嫌がりながら読むのが正解ではないかと思った次第。Amazonレビューは5つ星ばかりで、以下のように、何でもポジティブに受け止める人もいるみたいだけど、自分は、この物語を素直には楽しめません。

素敵な王子様ときれいなお姫様が結ばれる童話とあまりにもはずれているこころにのこる童話です。シュレックの両親はとてもみにくいひとたちでしたが、息子のシュレックはもっとみにくいのでした というかきだしがすきです。醜いことをパワーにして自分の人生を切り開いていく生き方は今に必要なことではないでしょうか。

4歳の息子はぽかーんとして聞いてましたが、私は読んでいてウキウキしました! シュレックの醜さがどれ程のものかを知らしめるエピソードも愉快だし、何よりシュレック本人が自分の醜さとか自分の人生を楽しんでいる様子がいい。 最後の王女とのやり取りも最高です(^^)