Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

映画

物語の「実在感」はどこから生まれるか〜『咲-Saki-』

映画「咲-Saki-」 (通常版)[Blu-ray]出版社/メーカー: バップ発売日: 2017/07/05メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (3件) を見る最初にこの映画を観た理由を。 Amazonプライムビデオでアニメを見るというのが、最近の会社帰りの通勤電車の楽しみ方。 ア…

バケモンにはバケモンをぶつけんだよ!〜『貞子vs伽椰子』vs『富江』

立て続けに2本のホラー映画を観たのでその感想です。 バケモンにはバケモンをぶつけるのが正解らしいので…。 『貞子vs伽椰子』(2016) 何かのときに映画ファンの方から、この映画をオススメ頂いて、かつ、先日も紹介した『邦キチの映子さん』で、別映画なが…

『邦キチ』に誘われるようにして観た『クリーピー 偽りの隣人』

クリーピー 偽りの隣人 豪華版[Blu-ray]出版社/メーカー: 松竹発売日: 2016/11/02メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (2件) を見る『クリーピー』は、タマフルのムービーウォッチメンで取り上げられてからずっと見たい映画ではありましたが、Amazonプラ…

残り半分て短すぎるね〜『SUNNY 強い気持ち・強い愛』

90年代、青春の真っ只中にあった女子高生グループ「サニー」。楽しかったあの頃から、20年以上という歳月を経て、メンバーの6人はそれぞれが問題を抱える大人の女性になっていた。「サニー」の元メンバーで専業主婦の奈美は、かつての親友・芹香と久しぶりに…

松岡茉優から目が離せない2時間〜映画『勝手にふるえてろ』

勝手にふるえてろ (文春文庫)作者: 綿矢りさ出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2012/08/03メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 14回この商品を含むブログ (39件) を見る 初恋相手のイチを忘れられない24歳の会社員ヨシカ(松岡茉優)は、ある日職場の同期のニ…

大満足・大興奮の全13話〜『仮面ライダーアマゾンズ シーズン1』

仮面ライダーアマゾンズ 予告編メディア: Prime Videoこの商品を含むブログ (5件) を見る実は、一話目を一度見かけて途中で視聴を止めていた作品です。(愚かなことに) 昨年からタブレット端末(kindleFire)で見る習慣ができていたのですが、見る作品はア…

『ラ・ラ・ランド』×藤子・F・不二雄「分岐点」×小沢健二「流動体について」

まずは『ラ・ラ・ランド』の初見感想。(ネタバレありです。要注意) 元々、3月末の平日に時間を取れるチャンスがあり、韓国映画(『お嬢さん』『アシュラ』のどちらか)を観ようと決めていたのだが、結局上映時間の関係で、他の作品を観ることに。そのとき…

モヤモヤ感あり〜スコセッシ×ディカプリオ『シャッター・アイランド』

シャッター アイランド (字幕版)発売日: 2013/11/26メディア: Prime Videoこの商品を含むブログ (2件) を見る公開時に話題になったこともあり、いわゆるネタバレのある映画ということは知っていた。 Wikipediaには、この映画のキャッチコピーについて以下の…

あまりにも「あの作品」を思い起こさせる傑作ホラー〜『エスター』

エスター [DVD]出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ発売日: 2010/11/03メディア: DVD購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ (19件) を見る 主役であるエスターと「目が合ってしまう」ジャケ写が前々から気になっていた作品。 今回観るきっかけ…

これは演技なのか?〜松山ケンイチ・永作博美『人のセックスを笑うな』

人のセックスを笑うな [DVD]出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)発売日: 2008/07/25メディア: DVD購入: 14人 クリック: 880回この商品を含むブログ (449件) を見る 19歳の美術学校生のみるめ(松山ケンイチ)。ある日、絵のモデルを20才年上の講師ユリ(永作博美)…

AIとの恋愛は可能か?〜スパイク・ジョーンズ監督『her/世界でひとつの彼女』

her/世界でひとつの彼女 [DVD]出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント発売日: 2015/07/08メディア: DVDこの商品を含むブログ (8件) を見る人工知能のOSに人間が恋をする話だと思って観て、実際にその通りの映画だった。 しかし、…

10日間でここまで変われる!〜安藤サクラ主演『百円の恋』

百円の恋 [DVD]安藤サクラAmazon 32歳の一子は実家にひきこもり、自堕落な日々を送っていた。ある日離婚し、子連れで実家に帰ってきた妹の二三子と同居をはじめるが折り合いが悪くなり、しょうがなく家を出て一人暮らしを始める。夜な夜な買い食いしていた百…

肉体が全てを物語る〜ミッキー・ローク主演『レスラー』

レスラー [DVD]出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)発売日: 2013/07/02メディア: DVDこの商品を含むブログ (10件) を見る 栄華を極めた全盛期を過ぎ去り、家族も、金も、名声をも失った元人気プロレスラー“ザ・ラム"ことランディ。今はどさ周りの興業とスーパ…

大スクリーンで観るべき映画〜パク・チャヌク監督『オールド・ボーイ』

オールド・ボーイ プレミアム・エディション [DVD]出版社/メーカー: ショウゲート発売日: 2005/04/02メディア: DVD購入: 1人 クリック: 72回この商品を含むブログ (371件) を見る 1988年、平凡なサラリーマン、オ・デス(チェ・ミンシク)は何者かに誘拐、監…

今そこにある凶悪の種〜白石和彌監督『凶悪』

凶悪発売日: 2014/04/25メディア: Prime Videoこの商品を含むブログ (7件) を見るずっと前に聞いたタマフルの映画評で「ぶっこむ」という言葉が印象に残っていた『凶悪』。 これまた印象に残る映画だった。 以前見た映画だと『ヒーローショー』も、同様の後…

2016年の映画や音楽その他の出来事のまとめ

2016年に個人的に影響の大きかった映画や音楽、その他の出来事について(本は除く)まとめてみました。10個にしようと思っていましたが、結局11個になりました。 11位 星野源『YELLOW DANCER』(通年) YELLOW DANCER (通常盤)アーティスト: 星野源出版社/メ…

よくもここまで一晩で〜『ハングオーバー! 消えた花婿と史上最悪の二日酔い』

ハングオーバー ワーナー・スペシャル・パック(初回仕様/3枚組) [DVD]出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント発売日: 2016/12/07メディア: DVDこの商品を含むブログ (2件) を見る 2日後に結婚式を控えたダグとフィルら男友達3人は…

世界の終わりはきっとこんな感じ〜J・J・エイブラムス製作『クローバーフィールド』

クローバーフィールド/HAKAISHA (字幕版)発売日: 2013/11/26メディア: Prime Videoこの商品を含むブログ (5件) を見る N.Y.のアパートで日本への転勤が決まった青年ロブの送別パーティーが開かれる。ところが突如、正体不明の“何か”が出現して街を破壊。逃げ…

グエムル動き過ぎ!〜ポン・ジュノ『グエムル-漢江の怪物-』

グエムル-漢江の怪物- スタンダード・エディション [DVD]出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ発売日: 2007/01/26メディア: DVD購入: 2人 クリック: 42回この商品を含むブログ (241件) を見る ソウルの中心を南北に分けて流れる雄大な河、漢江(ハンガ…

俳優って凄い〜石井裕也監督『舟を編む』

舟を編む 通常版 [DVD]出版社/メーカー: 松竹発売日: 2013/11/08メディア: DVDこの商品を含むブログ (79件) を見る 出版社・玄武書房に勤める馬締光也(まじめ みつや)は、営業部で変わり者として持て余されていたが、言葉に対する天才的なセンスを見出され、…

自分のオススメは、漫画→映画→漫画の順〜こうの史代『この世界の片隅に』

この世界の片隅に 劇場アニメ公式ガイドブック作者: 『この世界の片隅に』製作委員会,.出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2016/10/26メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (30件) を見る今回、各所からの絶賛評を知り、気になり過ぎて仕事も…

風景と記憶〜映画『君の名は。』ネタバレ感想

小説 君の名は。 (角川文庫)作者: 新海誠出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー発売日: 2016/06/18メディア: 文庫この商品を含むブログ (53件) を見る 新海誠監督は、ずうっと前に『秒速5センチメートル』を見ただけだったが、世間一般の評判通り…

ネタバレ感想〜映画『シン・ゴジラ』で驚いた8つの展開

8/1の映画の日に『シン・ゴジラ』を見てきた。 珍しく、早い段階で話題の映画を見てきたので、メモ程度に感想を書いておきたい。 庵野秀明だとか、エヴァンゲリオンだとか、色々と切り口はあるが、総評として、何より「驚けた」のはとても良かった。 映画も…

さらに広い心を試されるクライマックス〜映画『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』

ある漆黒の夜、日本警察にスパイが侵入。イギリスの「MI6」、ドイツの「BDN」、アメリカの「CIA」など各国の諜報機関、さらにはFBIの機密データを持ち出そうとするが、間一髪のところで安室透率いる公安が駆け付ける。スパイは車を奪って逃走。高速道路で安…

映画『名探偵コナン 業火の向日葵』と朽木ゆり子『ゴッホのひまわり全点謎解きの旅』

毎年恒例のコナン映画。アクションとストーリー展開という例年の観点から見て、今年の映画の良いところを一言でいえば、中だるみがない。悪いところを一言でいえば、大味で唐突。そして謎解きは不親切。全体的には傑作とは言えない出来だった。 しかし、今回…

最高でした!…でもこれだけはお願いしたい!〜『名探偵コナン・異次元の狙撃手』

東京の街を一望できる高さ635mを誇るベルツリータワー。そのオープニングセレモニーに参加していたコナンたちは、展望台からの絶景を楽しんでいた。その時、一発の銃弾がガラス窓を突き破り、男の胸を撃ち抜く! すぐさま犯人追跡メガネをズームさせ銃弾の軌…

古さばかりが目立つ残念作〜『映画ドラえもん 新・のび太の大魔境〜ペコと5人の探検隊〜』

去年、今年の映画が『のび太の大魔境』だと知ってから、ずっと「何故今この作品のリメイクを・・・」と思っていた。限りなく期待値の低い状態で見ることで、むしろサプライズを呼び込むかも、という僅かな可能性に懸けたが、結局、今回観たあともその疑問は…

ボカンコナンとは次元の異なる大人向けサスペンス〜『名探偵コナン・絶海の探偵(プライベート・アイ)』

初日の初回をよう太と観てきました! ひとことで言えば、大人は最後まで引っ張られる、コナン的には異次元のサスペンス。 劇場版を全てを見ているわけでないので比較できないが、少なくとも近年2作のような「爆発させれば勝ちみたいな映画」(命名:ボカンコ…

予想を裏切るオリジナル劇場版の快作!〜『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』

わさドラという言い方がある。 水田わさびが声優を務めるドラえもんのことで、2005年4月に大山のぶ代から代替わりして以降のドラえもんは「わさドラ」ということになる。 ところが、わさドラは、特に古参ファンには評判が悪く、劇場版については、リメイクで…

『おおかみこどもの雨と雪』で過ごすもう一つの夏休み

『おおかみこどもの雨と雪』は、公開一週間後に、よう太と一緒に府中に見に行った。 『サマーウォーズ』から想像したものとは全く異なる映画で、呆気にとられた。シネコンが入ったビルを出て、壁面に据え付けられた大型画面で、改めて予告編映像を見ると、今…